90年代のライブをyoutubeで見ている。もっと世界は単純だった。あるいは、そう見えていた。
Internetライブ配信を初期にやっていた人間が言うことではないが、そんなものが無い時代は単純だった。一握りのプロにエンターテイメントを任せておけば良かった。何が良いか、悪いかは、勝手に決めてもらえた。流行は勝手にきまって、それをフォローすれば良かった。
苦労して、自分でblogを書いたり、youtubeで動画をつくったり、SNSで消耗しなくて良かった。でも、それは僕たちが選んだ未来だ。力を自分たちに。教会壁面のフレスコ画から、カンバスの上に個人が自由に絵を描ける時代に。技術が、芸術を変える、拡散させる。音楽も、動画も、文章も、写真も、全部、誰でも出来る時代、力の分散。
でも、実は誰にでも出来るわけじゃ無い。もっと大変になって、複雑になって、世界対自分で戦わされる厳しい時代。でもそれは、悪いことだったのだろうか。いや、そんな事はない。そうであってはいけない。
そう信じてやってきたのだし、平等と、公平と、開かれていることは何よりも大事なのだ。たとえ、僕自身がそれに順応できなかったとしても、それは正しい歴史の流れなのだ。