別に行くつもりは無かったのだが、博物館を出てうろうろしていたら、北村韓屋村に迷い込んでいた。
ドラマのロケで使われるような、張りぼての歴史建築が立ち並ぶ。正直、なんの感動も無い。資本の臭いだけがする。さっさと路地に入ろう。
張りぼての裏側には、普通に日常生活の世界がある。クリーニングを配達にいくオジサン。電信柱の林。和洋折衷というか韓洋折衷の80年代みたいな住宅デザイン。子供の頃の近所の町並みに、もう一度戻ったような、奇妙な懐かしさと違和感。
愛憎渦巻く韓国と日本文化との関係。初めて韓国に出張したときには、日本車そっくりの車が、ややノスタルジックな町並みに溢れるが、実は日本車はただの一台も居ないというシュールな光景が印象的だった。それでも近年は日本車も増えたと聞く。
日本マイナス20年みたいな、そういう感じが、やっぱりここには有った。凄く似ているけど、全然違う。決定的に違うけど、なんか似ている。すごくややこしい関係が、有る気がする。