今回の旅は全てプチ氏の愛車ポルシェ(通称レゲエ号)で行った。そもそもフェリーという選択自体が、(その低い標準車高で船倉に入れるのかという疑問はさておき)無理矢理ポルシェを九州に運び込む、という目的のためだった。
今でこそヤフオクで 30万円代から出品されているが、発売された 14年前、車両本体価格で言えば、当時のフェラーリと同じクラス。まさに、バブル絶頂期のヤッピーカーだ。(地球に厳しい) 5リッター(!)の V8エンジンに、(よく壊れる)メルセデスのトランスミッション。まともにやれば、維持費はやたらにかかる。細かいことは気にしない、というスタンスで乗 るのが良いかもしれない。
今回の旅では結局、1,000km 以上を走破した。その間、愛車を運転し続けたオーナー・プチ氏の気迫。酷暑・高湿度という、ドイツ生まれのこの車が最も苦手とする環境で、その期待に応えた機械。
今回、この車はよく耐えた。ワイパーブレードが壊れたのと、あまりの暑さに所々でエンジンがかからなかったのと、後ろのハッチが開かなくなったの と、右窓の閉まりが悪いぐらいしか不具合は出なかった。これは「ほぼノートラブル」と言っても良い。(つまり、ミッション・オイルを吹いたり、ガソリン臭 を発したり、ブレーキ警告が出たりしなかったということだ)ワイパーブレードは、オートバックスで買えたしね。
旅の半ば、宮崎のガソリンスタンドで、ガスを入れていると、スタンドの人がジョウロとブラシでホイールとタイヤを洗ってくれた。そんなサービスは初めて見たのだが、これは嬉しかった。頑張ったこの機械も喜んでいた。