シン・レッド・ライン

Photo: “Leaf veins.”

Photo: “Leaf veins.” 2001, Kanagawa, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film Trebi

シン・レッド・ラインは、なんとなく何年も見る気にならなかった。だが、見始めて、最初の3分でこれは自分が生涯好きになる映画の5本に入るんだろうと分かった。

本当に、良いと思う映画には、筋らしいものは無い事が多い。いや、やがて筋は気にならなくなると言うべきだろうか。

一カット、一カットが素晴らしい。
描かれる人生が無常なのも、素晴らしい。
たった1カットの、泥の中でもがいて死んでゆく小鳥の姿が、絶対に忘れられないカットになる、そしてそれが、通底するテーマになる。恐ろしい映画。


良い映画は旅をしている気分になる。

これは戦争映画だけれど、戦争を描いているわけではないのだろう。中間管理職の映画みたいにも観られる。人生の潮目みたいなものの映画にも観られる。

見るタイミングで、いろいろ違う見方ができる底知れない深さがあることは分かる。役者がギャラに関係なくテレンス・マリック監督の映画に出たがるというのも、分かる気がした。

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