北海道に作られているだけあって、モエレ沼公園はアホみたいに広い。牟田の街の公園で見かけたイサムノグチの遊具も、ここでは広々とした場所に、沢山置かれている。
大地を彫刻する、という意味は、実際にここに来てみないと分からないものだと思う。建物と庭を一体としたこのような施設で、ここまでのスケールと完成度と美しさをもって作られたものは、僕にとっては初めてだった。
Play mountainと名付けられた丘を登り、公園の全体像を眺める。VRの無い時代に、これを頭の中だけで構成したのか。ミニチュアを眺めても、こんな体験は想像できない。VRでしか構成し得ないものを実際に体験しているようなリアルさ、逆説的だがそういう感じ。
凡人の感覚が、21世紀の技術による能力拡張によって、どうにか天才の解釈に追いついたような、そんな感じ。これに影響されて創作された色んなものを、僕はそれと気がつかずに体験してきたように思う。
この場所にもう一度行きたいかと言われれば、もう一度行きたい。一回訪れて消化できるような場所では無い事は、明らかだった。大地を彫刻する。その意味は、ここに立たないとやはり分からないものだった。
それに、この日はちょっと雨と風が強すぎた。そんな日も良いけど、晴れた日も見てみたいね。