いきなり連れて行かれた蜂蜜農場と、マレーシアの伝統住居展示場は、ツアーに対する我々の懸念を悪い意味で裏切らなかった。腹に詰め物をした仮面の若者が、ステージでおどけて踊る謎の民族舞踊を見ながら、我々のテンションは最低に近づいて行った。まさか、マラッカの観光というのは、伊豆周辺観光スポット巡りのような物なのではないか、その懸念が頭を過ぎる。
移動するバンの窓から見える町並み。炎天下にうずくまるように建つ、低層のコンクリート打ち放しの民家は、たいぶ沖縄あたりの町並みに似ていた。あるいは、サイパンあたりで見たことがあるような気もする。そんな日常の風景に和みもしたが、がっかりもしていた。お昼少し前の時間、外に人影はない。これが、マラッカ?
それから数分、メルセデス・ベンツのおんぼろバンが、いわゆる世界遺産としての「マラッカ」の街に入ったとき、僕たちは思わず声を上げた。それまでの、炎天の下で寝ぼけたように広がっていた現代的な住宅地が、突然、赤い土壁に白い文字がアクセントのオランダ統治時代の町並みに変わった。
目が、一気に覚める。鮮烈な白や黄色の壁、西欧と中国の要素が混在した建築が、どこまでも続く街路。どこにレンズを向けても、写真になる。「そりゃ、ここに行けば良い写真が撮れるよな」とあきらめにも似た羨望で眺める、そんな景色が突然眼前に広がった。
バンを降りて直ぐに、窓を一枚撮る。美しい。
残念なことに俺はそんながっかりな感じのものも面白いと思ってみてしまう人種(笑)
ま、ゆるキャラ、ゆるパークというジャンルでは、かなり光るモノがありました。
特に、蜂蜜農場。そのうち、ゆるキャラを載せます。 :wink: