少し歩かない?と言われて遠回りして帰る。
モールの両側の店は半分ぐらいがもう店じまいをしていた。
閉店した紳士服店の前で、試合の後か何かだろう、トレーニングウェア姿の高校生が 20人ばかり輪になって座り込んでいる。妙に明るい照明のファミレスの窓を覗くと、白いタンクトップとグレーのタンクトップの男が二人、飯を食っていた。それぞれの週末。
暫く歩くと、明るく照らされた白亜の教会に行き当たる。99% コマーシャリズム、結婚式場と同義の、そういう教会。でも、人の気配無く静まりかえった夜に眺めると、そんなに悪くない気もする。柵にかじりついて中を眺 めていると、子猫だけが、門を潜り、得意げに階段を横切って行った。