買ってみた。インターネット家電。
とか書くと、かなりバカにされそうだが、インターネットラジオ端末を買った。
前々から、インターネットラジオはかなり良いと思っていたのだが、いちいち PC で聴くというハードルが高くて(面倒で)なかなか生活に入ってこなかった。
専用端末なんか買わないで、PC でラジオ専用端末作ればいいじゃないか。という意見はもちろん理解できるのであって、実際、Fedora と xmms でつくったみたのだが、じゃあ会社から帰ってPCの電源を入れてログインしてアプリケーションを開いて、トラックポイントで局を選んでって、、、俺のやり たいことはそうじゃない!それにラジオだけ聴いていると言っても、PCは五月蠅いし、熱いし、やっぱり家電だよな、という結論に至る。
ところが、インターネットラジオ端末っていうジャンルにハマル商品というのが意外と無い。ONKYO の NC-500X が良さげではあるが、これはアンプまでついてしまっていて、これを中心に組むならいいが、既存のオーディオにチューナーとして組み込むには無理がある。そうなると、もう日本国内で普通に買える製品というのは選択肢が無くて、必然的に SUNTAC の Bibio wGate になる。これは、2002年にその特徴的なデザインで衝撃のデビューをした BiBio(INR1000) の後継であって、インターネットラジオチューナーと NAS 再生端末の 2つの機能を持つアプライアンスである。NAS 再生なんかもまったく興味が無くて(オーディオに iPod つなげばいいだけだし)、ニーズはインターネットラジオの端末が欲しい!ということなのだが、他にモノもないので、まあ、買ってみる。
定価 24,800円。なんて言うか、高いような安いような。コスト削減には気を遣っているようで、リモコンすら付いていない。(自分で学習リモコンを買え、と いうことらしい)ただ、製品としての完成度が高く、コストをかけるべき所にはコストをかけている。筐体外装はアルミ、ドットマトリクスのバックライト液 晶、Decoder は ASIC。無線 LAN に対応させるための PCMCIA スロットが付いている。
箱は段ボール以外の梱包材を使わないタイプで好感が持てる。付属する LAN ケーブルは実用的な長さ(5mぐらい?)、AC アダプタが付くが、極めて小型のものでちゃんとしている。RCA ミニジャックのケーブルも同梱。マニュアルも問題ない作りで、買って直ぐに使えるしっかりした製品だ。
実際に使ってみると、ソフトウェアのデキが良いのに感心する。例えば、LAN ケーブルをつながずに電源を入れてしまっても、後からケーブルをつなげばきちんと Interface の状態を検出して DHCP を更新しに行く。この際、ちゃんとダイアログが出て、接続中を知らせる。ユーザー・インターフェイスに手を抜いていない。ラジオ局の接続に失敗すると(接 続にタイムアウトすると)、一つ前に選んでいた局に戻るようになっている。挙動がいちいち凝っているというか、練れている。wGate は mp3 のみサポート(ASIC が mp3 のみ対応)なので、接続先はある程度限定されるが、そんなに困らない。音質面で言うと、M-Audio の(値段が高くて性能も高い)音源カードに比べてしまうと劣るが、民生用のラジオチューナーと割り切れば使えるレベル。
インターフェイスは直観的で、説明書を見なくても使える。ラジオ局は、Live365 や SHOUTcast あたりからリストを取得してきて、ジャンル分けされたモノから選ぶようになっている。SHOUTcast の方は、人気順に並んでいるようで、使いやすい。また、10局分の URL をプリセットとして登録することもできる。
フロントインターフェイスからでは難しい URL 登録やバッファ量の設定などは、web 経由で行えるようになっている。設定変更すると、一瞬再生がとぎれる場合があるが、再起動しないのは好感が持てる。また、局リストを取得する web サーバーは設定可能で、フォーマットも公開されている。自分で自分好みのポータルを作ることが出来る。こういった、ユーザー側の自由度を認める姿勢はとて も気に入った。再生時は、当たり前なんだけど、ID タグが読めるので曲名なんかもちゃんと出る。最初フォントが荒くないか?と思うのだが、家電の距離で文字を判読するには、これぐらいの大きさが必要だって 事が分かった。
照度の高い青色 LED の電源ボタンは邪魔。就寝時の使用も考えて、明るさを考慮して欲しかった。バッファ状況を知らせるバッファランプと、ネットワークアクティビティーを示す LED が付いているが、これは必要に応じて表示を切れるようにして欲しかった。常に点滅しているので、五月蠅い。PC 機器としては必要かも知れないが、オーディオ機器としては必要ない。トラブルの際には必要になるが、日常的に把握する必要はないだろう。
買ってから数日経つが、存外ずっと使っている。地上波のラジオに比べて、ジャンルが絞れているから、いきなり日本語ラップを耳から流し込まれる危険 もないし、CM も無いし、快適。インターネットの「広く狭く」という特徴が、生きてくる。例えば、英語に慣れたいなぁと思って CNNJ とか見ていても、CM が全然日本語だったり、FEN で英語を学んだっていう世代もいるみたいだけど、音楽が邪魔。でも、SHOUTcast で Talk っていうカテゴリに入ってる局は、ホントに音声だけ。曲の抜かれた NHK ラジオ第一の英語版みたいなもので、ひたすら何かしらしゃべっている。コンテンツがちゃんと管理された有線放送なんかと違って、混沌とした感じが良い。当 たりの放送局を見つけたときの嬉しさなんかもある。
光常時接続でルーター経由有線 LAN だと、もの凄く安定していて一昼夜ぐらいかけっぱなしでも切れる事がない。専用機にすることで、ここまで生活に馴染むか、と思う。少し「今更」感があるぐらいの技術は、よく安定していて、生活の中で使うにはとても快適なんだな。
注:今回の文章、スゲー長いな、、。最後まで読む人居るんだろうか。なお、NAS 再生機能については僕は使っていないので評価を控えたい。個人的には、普段 AAC で Rip しているのでちょっと使い物にならないかなと思っている。