パン屋の話の続き。
で、パン屋としてはどんなパンを作りたいのかというと、これはもう絶対に「生ハムサンドイッチ」だ。
ある日、ローマの駅で、朝飯を買うために売店に寄った。
ワラワラと、人が集まっているあたりに行ってみる。パン屋というか、弁当屋というか。混沌とパンが積み上げられ、肉がぶら下がっている売店。その Kiosk みたいな狭い店で、おやじが 2名、キビキビとサンドイッチをつくっている。イタリア語なんて読めやしないので、なにやら一番安いやつを頼んだ。
確か、300円ぐらいのものだっただろう。分厚いコッペパンのような大ぶりのパンに、厚切りで匂いの強いプロシュートを挟んだだけのサンドイッチ。 それを紙袋に入れて、渡してくれた。味付けは無し。これが、めちゃくちゃ美味かった。肉とパン。それを、電車に揺られながら囓った。(ちょっと、のどが渇 いたけど)
食肉の輸入自由化に伴って、日本でもいろんな生ハムを食べられるようになった。だから、生ハムのサンドイッチというものも、たまに見かける。レタス とか、オリーブとか、具がいっぱい入ったヤツ。しかし、ただ単にパンに生ハムを挟んだだけの、シンプルなものは見たことがない。あの時食べた、お弁当的 「生ハムサンドイッチ」には、まだ巡り会っていないのだ。
だから、うちで売る。(いや、別に開店することが決まっているわけでも、なんでもありませんが)
まあ、あんまし人気になりそうなメニューじゃないんだけど。
注1:生ハムサンドイッチは、言うまでもなく、自分でつくろうと思えば作れます。なるべく厚切りで、塩分控えめのプロシュートを入手すると良いと思います。