セール対象外

遅ればせながら、バーゲンを当て込んで買い物に行った。

新宿や渋谷に行くのはかったるかったし、そういう人の集まりが良さそうな所では、めぼしい品が既に全滅しているはずだから近場にした。

久しぶりに、某駅周辺を歩くと、いろいろ新しい店ができていた。オープンしたばかりの、某ブランドの直営店をのぞいた。まだ建材の匂いが立ちこめる店内は、いきなりセール。

高い天井とだだっ広い店内、山盛りの商品、妙に安い価格。店内にはフォードのエクスプローラーが無造作に置かれ、気取ったところがひとかけらもなく て、「アメリカみたい」というアホな感想しかわいてこない。なんか、いろいろ実用的なものが安いので、海外の免税店で商品を物色するような感覚で、店内を うろうろした。


さて、久しぶりにまともに買い物に行って、改めて「買い物って楽しい」と思った。

当たり前のことなのだが、買い物のいいところは、「欲しいものは買える」という点にある。手に入れたいと思ったら、レジに持っていって現金なりカードなりをだせば、それで自分のものになるのだ。品物を受け取ったその瞬間から、後にも先にも、この商品は自分のものである。

これって、けっこう凄いことだ。

買えないものっていうのはいろいろある。才能は買えない。チャンスも難しい。好意?これは買えるかも。友情は売れるときはあるが買えない。あの人の心は?買えないだろうな。まあ、この際買えないものの話は置いておこう。

買えないものは確かにあるにしても、少なくともお店で目に入るものというのは、買える。品物に限らず、売っているものは、買える。商品には、その対 価を示した値札までついている。買い物とは、極めてシンプルで、容赦ないものなのだ。買い物でストレスの解消をする人がいるが、とてもよく分かる。世の中 に、こんなにシンプルなことはそうは無い。

まあ、こんな事は、普通はだれも気にとめないのだろうけど、今日ふと、これは凄いなと思ったのだ。


結局、買おうと思ったサンダルはサイズが売り切れ。別に、この店で何かを買う予定ではなかったので、まあいいか。それでも、隅っこに積んであった帽子が気に入ったので、それを「自分のもの」にして店をでた。

対価は \3,500。後で気がついたが、セール対象外品だった。

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