アジアの向こう側のフィッシュ & チップス

Photo: "Fish and Chips."

Photo: “Fish and Chips.” 2016 Sidney, Australia, Apple iPhone 6S.

時差は無いけど直行便でも 10時間。近いような、遠いような、よく分からない国、オーストラリア。白人がマジョリティーを占める、アジア太平洋の国。言葉で言うと簡単だが、実際に目にするとなんとも奇妙な印象を受ける。

ビーチ沿いのレストランは、パラソルもソファーも、センスが良い。焼けるような日差しを避けて、傘の陰に席をとって、何を食べようか。イギリス文化圏なら、きっと美味しいに違いない Fish & Chips にしよう。

オーストラリア全体的に感じるのは、どこも値段が高いって事。あるいは、日本の経済的立場が弱くなっているからそう感じるのか、それとも、世界的に貧富の差がハッキリして高級品はどんどん高くなっているのか。多分両方だろう。


味は悪くない。ピクルスが水っぽくて巨大だったり、フィッシュがおかずで、チップスが喰いきれない量入っているのも欧米文化。ソーダで Fish & Chips といのも、なんだか割り切れない気分だが、浜辺の風は気持ちいい。

ここで一緒に、Fish & Chips をつまんだ同期が、この後直ぐに辞めていった。それはそれで、人生の分岐点。(と思ったら、戻ってきた)

日本人専用ガイドで行くJSAツアー

Photo: "The 38th Parallel."

Photo: “The 38th Parallel.” 2016. South Korea, Richo GR.

今をときめく板門店を訪れることができる、通称「JSA ツアー」もいよいよ大詰め。早朝に集合させられて、洞窟の中を這い回り、監視台からはるか北の領土を眺め、板門店で命の保証は求めない書類に署名し、もうお腹いっぱいだ。JSA から延々と漢江沿いに下って、やっとソウル市街に戻ってきた。

さて、このツアーでは英語客と日本語客が同じバスに乗っていて、ガイドがそれぞれ別についている。両方聞いていると、どうも喋っている内容が全然違う。英語版は比較的スタンダードな観光案内。日本語版の方は相当フリーダムで、息子が徴兵された時の話なんかもしている。

JSA 入境時の諸注意についての説明も、ちょっとディテールが違う気がして気になったが、そこはケンチャンナヨ。


ツアーの最後を、英語ガイドは、「いろいろ不便な事もあったと思うけれど、他に無い体験だったよね。んで、もうすぐ朝集合したホテルに着くけど、ここは市の中心街だからいろんな所に遊びに行けるよ!夜遊びに繰り出したい人達にオススメなのは、、。」と至って軽い感じでまとめた。

で、その夜遊び情報を日本語訳してくれるのかと思ったら、日本語ガイドは「この半島では、多くの家族が引き裂かれて暮らしています。その祖国統一の思いを、皆さんも日本に帰ったら思い起こして、、」とまぁ、全然内容が違う重苦しい100%予想できた展開の締めくくりがセットになっている所までが、このツアーのハイライト。

ロシア人にとって、一杯は少ない

Photo: "Square of the Fighters for Soviet Power in the Far East. / Площадь Борцам за власть Советов на Дальнем Востоке."

Photo: “Square of the Fighters for Soviet Power in the Far East. / Площадь Борцам за власть Советов на Дальнем Востоке.” 2017. Vladivostok, Russia, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM, ACROS+Ye filter

「ロシア人にとって、一杯は少ない
二杯は多い。だから、三杯だ。」

Discovery channel でやっていた番組で、ロシアのウォッカメーカーの研究員が言っていた。
わけが分からない。

そうして、ドロドロになるまで凍らせたウォッカで乾杯。三杯どころではない、四杯も五杯も飲み続けるのだ。
わけが分からない。

その答えは、ロシアに行けば分かるだろうか。


結論としては、分からなかった。だって、誰もウォッカなんて飲んでないのだ。地元ではちょっと有名らしいホテルの、この広いレストランで、そんなものを飲んでいるのは僕だけだった。もっと、ロシアな居酒屋を目指すべきだったのか。あるいは、凍える厳冬期に来るべきだったのか。

答えは、持ち越しだ。一杯は少ないかというえば、まあ、それで十分な感じだった。