ふと、人生は夏休みたいだな、と思った。そして、もっと早くその事に気がついていたら良かったのに、誰かがもっと早くにそう教えてくれたら良かったのに、とも思った。夏休みは、人生の初期の段階で体験する。だから、それがこれからの人生の相似形であることに早くから気がついていたら、もっと素直にいろんな事を理解できた気がする。
夏休みと人生は似ている。夏休みにはリミットがある。人生のリミットは誰にも分からないけれど、200年生きる人は居ないから、やはり最初から終わりが有る。そして、常にカウントダウンは刻まれ、それが進むにつれて、焦りが増えてくる。夏休み最後の一週間は、けっこう嫌な気分だ。もう楽しいことは先にあまりない。やり残した宿題だけが残っているかもしれない。人生も似ている。
夏休みと人生は似ている。いろんな過ごし方ができるし、毎日はなんとなくくり返されていく。その長いようで短い時間は、やったことだけが積み重なる。1日目に立っていた場所と、最後の日に立っている場所は、やっぱり違っている。沢山の事をする人も、何もしない人も居る。周りがやっているような事をなぞっていたら、なんとなく休みが終わる。そんな夏休みもあるだろう。人生も似ている。
夏休みと人生は似ている。楽しい夏休みもあれば、孤独な夏休みもある。周りの人、家庭の状況、いろんな初期条件や外部要因がそれを左右する。もちろん、自分がどう過ごすかでも、変わってくる。あるいは、意外と自分の手の及ばないところで、物事が流れていってしまう感覚。人生も似ている。
夏休みは何回かやってくる。それに比べて人生は1回で終わり。でも、その分長めの時間が用意されている。