シベリア鉄道9400キロ

"Preaparing departure of Trans-Siberian Railway"

Photo: “Preaparing departure of Trans-Siberian Railway” 2017. Vladivostok, Russia, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM, ACROS+Ye filter


「シベリア鉄道9400キロ」という本を、僕は何度読み返したか分からない。その本は、恐らく僕が初めて読んだ紀行文であり、こうして自分が旅のことを書くきっかけになったのではないかと思う。というか、今、そう気がついた。


1982年の「ソ連邦」時代のシベリア鉄道の旅を描いたこの本、今は手元に無いが、酒が手に入らないやるせなさと、食堂車のメニューが軒並み「ニェット」であった事の印象ばかりがある。

そして、自分の目の前に(多分)シベリア鉄道である所の車両が停まっている。当時ウラジオストクは軍港都市として外国人の立入は許されて居らず、本にはもちろんウラジオストク駅の記述は無い。この駅はまさに、シベリア鉄道の終着駅であり、あるいは極東からモスクワに旅する人の出発点でもある。

列車の周りは、乗り降りする人も無く静かだ。地理的には極東アジアのこの一角から、遙かモスクワまでレールが続いている証が、この完璧なヨーロッパの風情をたたえた駅舎だろう。


10年前に書いたこの文章で言及しているシベリア鉄道のエピソードはまさしく、冒頭の本で得た知識。そして、そこに載せたフィルム写真を撮っている Zeiss のレンズを、今度はデジカメに載せ替えてロシアで撮っている。ちょっと目が覚めるぐらい、カチッとした絵になった。