何かお勧めは?と聞いて。
「うちは全部お勧めなんだよ!」
という店が、嫌いだ。
別に、そういう店が存在する事は勝手だが、そういう店に入ってしまった、今日の自分の不幸を嘆く。
料理が美味しくても、会計がリーズナブルでも、そのような店を再び訪れる事は無い。
うちは全部おすすめ。そんな店があるんだろうか。
例えば伊勢籐なら、そんな事もあるかもしれない。なにせ、唯一の飲み物は灘の白鷹、つまみは一汁三菜が勝手に出てくる。でも、あそこはそんな野暮な事は言わないだろう。
そんな訳で、つい「他にこれは、ってものは有る?」と聞いて、久々に「うちは全部お勧めだよ!」を食らった時に、少々うろたえてしまったのだ。あるいは、いささか注文の具合も良くなかったかもしれない。
そういうのはやっぱり相性、というのがあるものなのだ。味は悪くない、値段も高くない、でもやっぱり、二度と行かない。
不味くて、高くて、自分にとってはさっぱり訳の分からない店にも、常連というのが居る。商売はつくづく、良いから続くというものでもない。
写真は、お気に入りの方のお店です。