国際的お土産売り

Photo: 1995. Rome, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Agfa

Photo: 1995. Rome, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Agfa

世界で一番小さい国(だっけ)、バチカン市国。一度は世界地図で探してみたことがあると思う。地図の上で、バチカン市国はイタリアの中部に小さく描かれている。あまりに小さくて、国境を示す線だけで国が埋まってしまいそう。

そして、これが実際の国境。向かって左側がバチカン市国。右側が緩衝地帯で、その向こうの柵から先はイタリア。


どう見ても、境界はいいからかげんである。移動式の柵で、なんとなく区切りのようなものができている程度。丁度、神社の境内みたいな感じか。それでも、数千年にわたって、やってこれたわけだから、これでいいのだろう。

国境をまたいでお土産を売る、国際的お土産売りが闊歩している。彼らは、バチカンの内部にこそ入ろうとしないが、緩衝地帯を自由に闊歩して、憐れな観光客にみやげ物を売りつける。彼らが所得を申告するのはイタリアだろうか、バチカンだろうか。

整っている国、ドイツ

Photo: 1995. Germany, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Germany, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

ノイシュバン・シュタイン城から、麓の村を望む。

ドイツの印象は、全てが「整っている」ということ。驚異的な努力で、国中を、ディズニーランドのワールドバザールにしようとしているとしか思えない。

風景はメルヘンだが、肌を刺す冷たい空気と、足下に張りつめた氷はリアルの世界。

バチカン

Photo: 1995. Rome, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Agfa

Photo: 1995. Rome, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Agfa

バチカン市国。南欧の太陽が噴水を照らす。向こう側に見えるのは、カトリックを象徴する聖人達の彫像。まさにローマ、といった大理石の柱。かつての 覇権を思い起こさせる、エジプトのオベリスク。様々な象徴たちが、広場を彩る。バチカンの奥に続く門は、バチカンの近衛兵が守る。

中央の広場は、とても広々していて気持ちいい。ローマ・カトリックの総本山という重々しさはない。