「ムトゥ、踊るマハラジャ」、めちゃくちゃ面白い。
筋はあきれ果てる程、単純明快。恐らく、字幕が無くても理解可能だ。(ちなみに、インド映画に台本はないらしい)その筋をもり立てる、脂ぎったヒーロー、ムトゥのタオルアクションと、ヒロイン、ランガナーヤキの腰フリダンス。これでは放送禁止限界だ。
随所に挿入される脳をとろけさせるタミル・テクノにあわせた、チームダンス。アヒルや、鶏を、リズムに合わせてカットに挿入する(というか、リズムに合わせてフレームの外から、スタッフがアヒルを投げ込んでいるのではないかと思う)、見たこともない手法。
そして、「全編を通していったい何万人出演しているんだ?」と思わずにはいられない、膨大な数のエキストラ。まさに、インドの資源を余すところ無く活用している。
ついでに言えば、まともに撮ろうとした部分の映像(とても少ないが)のクオリティーはとても高く、欧米の映画にひけはとらない。特に、ムトゥ出生の秘密が明かされるあたりでは、一級の歴史映画ではないかと思わせる緊迫したカットが展開される。
娯楽の一線をかたくなに守った映画だが、随所にセンスの良さが光っている、、無駄だが。
これは是非、映画館で見なければならない。