ナイスなホームページ

「ナイスなホームページだねぇ、僕も Mac を持ってるんだけど、どうやったらうまくいくか教えてくんないかなぁ。サンキュー」

だいたいそういう意味のメール(英語)が来たのはかれこれ半年前だろうか。僕はこの質問に、懇切丁寧に答える気にはとてもなれなかった。たぶん「同じ文面のメールをいろんなページに送っているのだろう」という気がしたからだ。

でも、この際だから皆さんに私がどうやってこのページを作っているのか知ってもらおう。世の中、「ホームページを作るのはとても簡単です」なんて、てきとうなことを吹きまくる人ばかりだから、私が本当のことを教えてあげます。「ホームページの作成はめちゃくちゃ難しいので、たいていの人には無理でしょう」。

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さて、ホームページとはどのようにして作られているのだろう。ホームページの作成はもの凄く地味な作業の連続である。皆さんが目にする、綺麗なグラ フィックや、音や、Movie なんて、実はホームページの「おまけ」でしかない。作業の大半は、ホームページの「記述」に費やされる。右の写真は、ホームページを「記述している」様子 だ。もの凄くパッとしない。ホームページは HTML という名前のファイルによって作られている。HTMLがどんなものかご覧になりたければ、ご自分のブラウザから、View – Document source を選ぶと、「わけの分からない英語の並んだ画面」を見ることが出来る。これが、HTML ファイルだ。簡単な英単語の組み合わせによって絵を入れたり、文字の大きさを変えたりしている。一つの英単語が示せる意味 は、<center>(文書を真ん中に表示する)とか、<font size=+1>(文字の大きさを1つ大きくする)とか、驚くほど貧相である。この組み合わせが、ホームページの全てである。こんなものをいちいち 組み合わせて華麗なるページをつくるなんてことは、「人生の時間をドブに捨てるようなもの」だ。

ここまで言われても、なお作ってみようという、そういう人だけがホームページを作れる。これが 真実だ。更に言えば、いったん作ったページを維持・更新し続けることは、より困難なのである。最後に、最近はホームページが簡単に作れます、と宣伝してい るソフトが色々でている。ここまで読んでくれた人のために、よく言っておくが、「自社のホームページを、そういうソフトで作ってる会社なんてほとんどな い」のである。

Internet は公共の資源なのだから

ひところ、Internet は公共の資源なのだからマナーを守って利用しよう、ということが大真面目に語られていた時期があった。FTP(皆さんが Internet からソフトをダウンロードするときに使うプロトコルですね。)も、相手の国のビジネスアワーを避けて利用するなんていうそれはそれは奥ゆかしい気遣いが あって、いかにも世界を相手にしているという気分が盛り上がったものだった、、、半年前までは。

それが今では、馬鹿でかいベータテスト用のアプリケーションや、株式投資は是非わが社へとか、Internet で電話(俺の回線使用料で電話をかけるな)とか、ほとんど使った者勝ち状態だ。

で、僕は、別にこのことを非難しようとは思わない。使えるモノは使おうという、実に素直な人たちが世界中にまだ沢山いたということが分かって、むしろ嬉しいくらいである。