東京と近郊の記事一覧(全 63件)

「天皇陛下、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」

「天皇陛下、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」

いわゆる、ホンモノの万歳三唱を実際に聞いたのは、初めてだった。集団の中の個としての高揚感。小学校の運動会の歓声、あえて言えば、それが一番近い。

この高揚に包まれて、流されないで居るのは、とても難しい。それが、率直な感想だ。

バンザイなんて、記録フィルムの中でしか見たことが無い。それが突然、目の前に現れたことに、僕はびっくりしていた。もちろん、自分は一般参賀に来ているであって、ここはそういう場所なのだが。


一般参賀の行き方は、実に当たり前のことかもしれないが、宮内庁の Webサイトに書いてある。天皇誕生日と新年の年2回。いずれも予約は不要、自分が行きたい時間を選んで、ただ行くだけ。最寄り駅は東京メトロ 二重橋前。そう、もちろん二重橋だ。いつもタクシーで通り過ぎるだけの皇居の前に、今日は地下から階段を上がっていく。変な気分だ。

日の丸の旗は、歩いていれば誰かがくれる、と思ったらもらいそびれた。テレビで見る限り、あれだけ人々が振っている旗なのだから、組織的に配られていると思ったのだが、どうもタイミングを逃したようだ。


二重橋の前の広場に、仮設の手荷物検査場が展開してる。システマティック。手ぶらでボディーチェックを受ける。ここに来ている人は、特にどんな感じ、というのでは無い。祝日のデパート、と言っても別に違和感は無い。右翼でも左翼でもなく、普通、とっても普通。

そのまま、ぞろぞろと宮殿に向かって歩いて行く。よく見ると、それっぽい団体の方々は、巧みに警備が誘導して、周辺部に集めているように見える。

バンザーイ、自体は数分の出来事だ。実は、その後、皇居東御苑を散策したり、おみやげを買ったりする事ができる。そういえば、冬の澄んだ広い空も、思い切り眺められる。東京のど真ん中に、広い広い、空が広がっている。

九十分、ランチブレイクを取られても、正直困る。

Mud wall
Photo: “Mud wall” 2013. Katsura-Rikyu, Kyoto, Richo GR.

芝公園。近くのホテルで、技術系のお集まり。それでは昼休みということで、いきなり九十分、ランチブレイクを取られる。一体何をしろと。

昼メシは、適当に食べログで見つけた海鮮丼。すぐに食い終わってしまった。幸い、昨日までで夏のさかりはおしまいになって、今朝は運動会の朝みたいな風が吹いていたっけ。

東京タワーを眺めながら、公園のベンチに座る。頭上の桜の葉はだいぶ落ちて来ている。ツクツクボウシと、アブラゼミと、そしてあらゆる種類の蝉が、ひと時に圧縮された季節に鳴いている。


昼間の東京タワーをまじまじとみると、ずいぶん、いかつい。地上波の送信は止めてなお、今もたくさんのアンテナが取り付けられ、制御用機器用のコンテナやら、足場やらがついている。古くても、徹底的に改造して使う、そういう日本のやり方は嫌いじゃない。

公園のベンチに座るのは、OLとサラリーマン。全員がスマホをいじっているよ。

池があるから、けっこうな蚊が飛んでいる。夏じゅうまくっていた袖を長くして、それでもそんなに暑くはなかった。熊笹が青く茂っている。夏の桂離宮で見た。

松濤で、ハンバーガーを食べて、タイポグラフィーに遭遇する

uglydoll
Photo: "uglydoll" 2011. Tokyo, Apple iPhone 3GS, F2.8/37.

人間ドックの検査結果待ちで、一時間以上時間が空いた。松濤の方に向かって歩いて見る。

DINERと書かれた看板を見て、店に入ってみる。きちんと掃除と修復をすれば、それなりにお洒落なカフェで通用しそう、でも、明るい昼間の光ではアラが目立つ、ダイナー。そのちょっと安っぽくて、ずさんな感じが、きっと渋谷っぽくて、自分が年をとったからそういう事が気になるだけなんだと、考え直す。

注文はクラシックハンバーガー。カラオケボックスで出てきそうな、編み編みのポテトフライがたまらなく残念だが、ハンバーガーは結構まとも。小指をハンバーガーのおしりに掛けながら食べると、具がずれない。なんかテレビで見た気がするので試してみる。確かに。


そのまま少し歩いて、松濤美術館まで行く。芹沢銈介展。型絵染の展示。自分は染織に興味は無いと思って居たが、屏風や暖簾に織り込まれた文様は、新しい日本語のタイポグラフィー。存外楽しい。いろはがるたを題材にした屏風絵。難しくない、民芸と芸術の間のような作品。年季の入った居酒屋の、手水場にでもかかっていたらしっくり来そう、と言ったら失礼だろうか。

時間が来て、病院に向かって歩く。開店前のショップ、ブラインドの隙間からジッとこっちを見てる赤いヤツが居るぞ。