そういう小学生も滅多にいないと思うのだが、僕が卒業アルバムに書いた、将来なりたいものは SE だった。
大学は理系に行かなかった。政治や歴史を勉強した。それでも、インターネットブームにのって、僕は SE になった。こう書くと、なんとなく軽いけれど、まあ軽いのだ。
卒業アルバムに書いたとおりの職業につくことができる人間の割合、というのを考えれば、僕は幸せなのかも知れない。
結局、人は、自分自身を受け入れるために、長い旅をしているのかも知れない。これでいいんだ、と思うために、いろんな曲がり道を歩いているのかも知れない。そんな風に考えることが、多くなってきた。
自分の夢を実現することができれば、安心できると思った。そうでもない。
幸せってなんだ。よく分からない。でも、つくるものとか、獲得するものとか、そういうのではない。それはきっと、受け取るもの。
ここまでの文章は 3年前に書いて、そのままになっていた。いろいろ歩いて、一周して、またここに戻ってきた。
同じ自分ではない、同じ自分でもある。