とても綺麗な猫が居た。美マヤー。(マヤー = 猫)
猫だまりの猫たちは、まだ僕を警戒して遠くに取り巻いているが、彼女(多分)だけは、悠然と毛繕いをしている。そして、時折鋭い野良の目で僕を見る。
暮れていく空は、めまぐるしく色を変え、遠巻きにしていた他の猫たちも、だんだん近づいてくる。自分の日常から遠く離れた島で、この生きものたちと一緒にいるこの時間。
夏と違って、ずいぶん冷たい風が吹き付けるこの場所には、生まれたばかりの子猫を連れた母親の姿もある。早く春になって、楽に過ごせるようになったらいいね。