ふぐを食べた。
一週間に二回。最初は大阪の法善寺横町。入り口に予約の名簿を持った兄さんが立っていて、ひっきりなしにお客が訪れる。座敷は清潔だけれど狭くて、隣ではジャージを着たオッサン達が、鍋をつついている。
ぶつ刺しという、分厚く切った身に、山ほど葱をのせて食べるやり方は、上品じゃないけど美味しい。瓶ビールから初めて、甘ったるいアル添のひれ酒に進む。
自分で煮るから、焦るとちょっと生だったりとかするわけだが、それもまた良い。箸から逃げるマロニーちゃんを掬いだして、渾身の注意を払って自作す る仕上げの雑炊には、焼肉的楽しさがあるな。鍋だけなら、一人前 3,000円見当。何度も書いているように、大阪は好きではないが、ふぐが安くて美味しいのは確かだ。東京で食べる似たような値段のふぐとは(あんまりう まくない)、違うモノだと言っておきたい。
そして、翌々日、東京は人形町。最近店が移転したみたいで、つくりもゆったりの個室。店の姐さんが鍋奉行してくれるので、生を喰ったりしないで済 む。(気がはやって、姐さんに隠れて勝手に切り身を放り込んだりしていたが、お上品なお店なのでそういう行為も見て見ぬふりをしてくれる)ふぐはとても大 ぶりで香りも良い。鍋一面に春菊を散らしたりするのも気が利いてるし、雑炊を作るときにマロニーちゃんが鍋底に沈んで邪魔をするようなことは無い。(そも そも、そんなものは入っていない)
グラスの生ビールから初めて、巨大なひれがのっかる(湯飲みに入りきらない)ひれ酒に進む。更に、自家製のポン酢飲み放題というのも、ポン酢マニアにはたまらないと言える。お一人様 2万円超。毎週行ったら破産だ。
まあ、どっちもそれぞれ美味しいと思う。で、あえて言うと、人形町の方はデザートがお気に入り。
同行者の一人は都度「寒天の変なデザート」とつれないコメントをしているのだが、個人的にはこの変なデザートは相当好き。寒天で固めたあまり季節感の無い高級げなフルーツに、さらっとしたカスタードのようなものが、かかっている。これだけ、お土産用に売ってはくれまいか。