「インドでは普通ナンを食べない、あれは日本のインド料理独特のものだ」
なんて、聞いていたけれど、普通にナン出てきてますけど。
きっとここは、観光客向けの高級な店なのだろう。だから、一般的にはあまり食べないというナンも、普通に出てくる。白と青で統一された店内は、清潔で涼しげ。出てくるカレーも、変な話、日本のうまいインド料理屋で食べる感じ。
ビリヤニも、マトンカレーも大変結構。値段が相当高いから、毒気が抜かれた洗練の料理。飲み物のコーラも、缶入りで安心。思えば、ここで気をよくして油断したのが良くなかった。インドのレストランと言ったって、別に普通じゃん、と思ってしまった。後から考えれば、そんなことは無かったのだ。インドのダイナミックレンジを、僕は見誤ったのだ。
ホテルの運転手は店の外で待っている。店の周りに屯している地元に人間(暇なのか、仕事が無いのか、そこに居るのが仕事なのか)と、なにやら楽しそうに話している。インド人のフレンドリーさというか、誰とでも超親しく話しちゃう感というか、その距離感は近い。