トカゲ

森の中の径を歩いている。

何かの気配を感じて足許を見ると、トカゲが居た、ちょっと驚く。折れた木の枝の側ら、アスファルトの上。径を通り過ぎる自転車に轢かれはしまいか、でも、トカゲは動かなくて、死んでいるようだった。


そのまま少し歩いて、立ち止まって、戻って、そうしてトカゲの体を径の外にほっぽり出した。ひっくり返った腹からはワタが飛び出していた。

トカゲはヘビイチゴが赤い実をつける脇に、冷たくうずくまった。

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