中庭。
「佐賀町エキジビット・スペース」の正面入り口、受付カウンターを「くぐって」ベランダに出ると、この中庭を一望することが出来る。
中庭、という空間は不思議な場所であって、そこには閉じた時間のようなものが、流れている。かつて、日本中から米が集められ、仲買人達がこの庭で商品を吟味した。目利きのためには、太陽の光が必要だったのだ。そして、それも今は昔。
窓枠にも、あるいは、中庭を囲む回廊の柱にも、優美なアーチが用いられている。建設当時は、もしかしたら、ちょっとお洒落すぎる建物だったかもしれ ない。それでも、70年以上の時を経て、建物は成熟した。ボロくなった、というのとは少し違う。手入れをされながら、ゆっくり年老いた建物。そして、そこ には生活する人たちの匂いがしっかりと染みついている。
そんな感じ。
注:本来、ベランダに出てウロウロしてはいけないようだ。ガードマンのおじさんに見つかると、かなり怒られる。