「清水の舞台から飛び降りる」の清水寺。メジャースポットだけあって、参道には観光客目当てのツーリスティックなお店が並んでいた。たちの悪い原宿みたいになっていて、うんざり。
それでは、いっそ老夫婦のやっている渋めの焼き物屋にでも行ってみようかと思うものの、いったいこの商品は昭和の時代からここに並び続けているのではないだろうかと思うような代物ばかり。
却下。
この日、京都は曇り空。朝から、湿り気のある、強く冷たい風が吹き付けていた。頭の奥がキンッと痛むような、そんな寒さだ。
清水寺は、小高い山の山腹に張り付くようにして建てられている。清水の舞台を過ぎて少し山道を登り、薄暗い空に5重塔のシルエットを望む。ススキが、一足先に過ぎ去った秋に取り残されたように、風に吹かれている。
なんとなく、池波正太郎っぽいシーンが撮れた。
山を下ると、湯豆腐を食わせる店があった。どんな豆腐が出てくるのかは怪しい感じであったけれど、湯気の立ち上る白木の桶に負けた。、、ん?店内はいっぱい?外の席?
目をやると、ふきっさらしの屋台で、カップルが寒さに震えながら薬味をつついている。「外の席」では、どうみても余計寒くなりそう。諦める。どこか暖かいところで熱燗と湯豆腐を、、。
そうこうしているうちに、F100(カメラ)の電池が低温に根を上げ、CPUがエラーを表示して動かなくなった。一眼レフカメラとはいえ、完全に電子制御されているため、CPUが動かないとシャッターも切れない。
進化は、時として脆弱。