サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(Basilica di Santa Maria della Salute)、自分では、撮った記憶のない1枚。この教会はヴェネツィアに数ある歴史的建築物の中でも際だって美しい。
ここヴェネツィアは、どこもかしこもキレイに古い。伝統、という言葉を、ごく単純に「古い」と言い換えたとしても、その古さ自体が、美しさを生み出 している。日本が木の文化ならば、ヨーロッパは石の文化。全く異なる時系列の中で育まれた伝統は、日本で育った僕にとって100%の異文化。しかし、その 建築物は、僕にとっても美しく感じられる。
ヴェネツィアには、有名な教会や、貴族階級の宮殿など、重々しい建物が多い。にもかかわらず、街中には、どことなく浮かれたような空気がただよって いる。ヴェネツィアが観光地化されているから、ではあるまい。港街に共通な、ある種の開放感によって生まれる雰囲気。
港町の開放感というのは不思議。なにかを押しつけてくるわけでもないのに、気が付くと、その開放感のエッセンスが体の中に入ってしまうのだ。