今年は桜を見に行こう。そう思って、あちこち見に行って、目の前が真っ白になって、うんざりした。
こんなに一生懸命桜を見たのは、生まれてはじめてかもしれない。
桜の名所。周りは、家族や、カップルや、同僚や、友達や、そんな人たちでいっぱいだ。でも、本当に見るんだったら、一人の方が良いかもしれない。堀端に揺れる桜に、ふと漂う妖しい気配はかすかで、その声を聞くには耳を澄ましていなくては。
そういえば、桜の花はほとんど匂いがしない。人の記憶は匂いに結びつくけれど、満開の桜の景色は、まるで浅い夢のように、淡い色だけを瞼に残す。
春の浅い夢だ。
こんにちは、羊さん。
もう羊さんのページを読み始めて何年経つかも忘れてしまいましたが、初めてコメントさせていただきます。
(それもこんな10年以上も昔のエッセイに)
春になると、この「堀端の桜」が読みたくなって、ついつい開いてしまいます。
他の羊さんのエッセイも好きですが、こう何回も折りをみて読みたいものがいくつかあります。
最近ではあまり更新されなくなったのが残念ですが、また楽しみにしています。
Tokoさん。こんにちは。
長く読んでいただいていることを、嬉しく思います。
堀端、を書いた頃は桜の写真一つ載せるのもえらく手間がかかりましたが、今は恐ろしく簡単になりました。そうして、4月の頭にはネット中が桜の写真で溢れて、いくらでも見られるようになって。今年は桜の写真は、ほとんど撮りませんでした。
震災でなにか大きく被災したわけではないのですが、(昔住んでいた街は津波に飲まれました)、その後からの文章が出てこなくなったのだというのは、振り返るとそう思います。
あれから3年が経過して、その間に書いたものは公開されずにたまっていたりします。そんなものも含めて、載せていきたいと思っています。
また、読みに来てください。