映画の世界では、過去の作品をモチーフにして、新たな作品をつくる、というケースがある。「七人の侍」を西部劇に置き換えた「荒野の七人」はあまりにも有名だ。モチーフにする、というのは好意的過ぎるかもしれない。骨組みをパクッて新しくつくる、ということだ。
ある種の「型」が決まってしまえば、そのバリエーションを増やすことは比較的簡単だ。「7人のアウトローが、村人を守る」という「型」を利用したのが、前述の「荒野の七人」である。
このやり方は、簡単に応用可能だ。例えば、「戦国自衛隊」。これは、自衛隊が戦国自体にタイムスリップする、というめちゃくちゃな設定の映画だが、 「公官庁の組織が、過去にタイムスリップする」という「型」をそのまま利用して、ほぼ無限にバリエーションを考えることができる。
さあ、どんどん考えてみよう。
「元禄警察予備隊」
似たようなテーマを、少しずつずらして取り入れている手堅い作品。しかし、警察予備隊という、きわめて中途半端な組織を題材としたため、どうあがいても感情移入できない。
「平安宮内庁」
これは、とても違和感のない組み合わせ。あまりドラマ性はないので、豪華なセットやキャストで勝負するしかあるまい。興行的には厳しいだろう。
「開国海上保安庁」
テーマは海。領海を侵犯するペリーと戦ったりする。ただし、江戸末期の時代設定に、海上保安庁をプロットとして組み込んでいくのは、かなり困難。
「縄文気象庁」
、、まず無理。
注:作者は「戦国自衛隊」を観たことはない。