Internet で青酸化合物を購入して、自殺した人間が出た。(ところで、よく言う青酸カリって商標なんだね、知らなかった)
事件を簡単に説明すると、北海道の男性が、Internet のホームページを通じて青酸化合物を国内の数人に売り、そのうちの1人がその毒物で自殺したのだ。また、青酸化合物を購入した、他の客のなかで消息不明になっている人もいるらしい。
よりによって、こんなモノで死のうとする勇気に感服するが(服毒自殺は決して楽な死に方ではない)、こういう事件があると、またお節介なやつが Internet の規制についてゴチャゴチャ言い出しそうで困る。(Internet というのは、あくまで通信手段なのであって、別にTCP/IPが青酸化合物をパケットに詰めて転送できる訳ではない。)死にたい人間は、どんな手段を使っ てでも死のうとするだろうから、別にInternetは自殺の本質とはなんの関係もあるまい。
ビデオが普及すれば、あやしいソフトを売る商売が生まれ、携帯電話が普及すれば、それで麻薬を売る人間が出てくる。メディアは、新しい人のつながり と、モノの流れと、情報の流れをつくる。それは、誰にも止められないわけで、それを止めようとするのは不毛な努力だ。川の流れをせき止めてみても、水はや がて溢れ出す。そして、結局は流れを止めることはできないのだ。
それにしても、青酸を売っていた男は、なぜそんなことをしていたのだろう。単なる金儲けなのか、興味本位なのか、それとも、死にたがっている人に真 剣に死ぬ手段を提供したかったのか(そこまで考えているとは思えないが)。なんにしろ、たった1行のURLが、人を殺せる時代が来たことは、記憶にとどめ ておいてもいいかもしれない。