オーストラリアに来たからには、ウォンバットを見なくてはならない。そもそも、オーストラリアの動物園は、木もたっぷりしていて、人間が見やすいと言うよりも、動物が隠れやすいようにできているようであり、動物を見つけるのが難しい。その点は、いかにも「欧米」な感性で作っている。
さて、ウォンバットはさっぱり出てこない。塀から身を乗り出してのぞき込んでいると、
「あんたたち、暑いからウォンバットはみんな穴の中だよ!」
と、親切なオーストラリアのおばちゃんが教えてくれる。もっさりした茂みの下に巣穴があるらしいが、強日差しを避けて穴の中らしい。その場で 20分ほど粘ってみたが、やっぱり出てこなかった。
おばちゃん曰く、
「私の夢は、ウォンバットを飼うことなのよ。」
そんな話をして、翌日、僕の夢は、カピバラを飼うことだったのを思い出した。