カメラのはじめ

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思えば、写真が趣味になったのには、2つの理由があった。インターネットが登場したことと、CONTAX T2に出会ったことだ。
初めての海外旅行にもっていくためになにげなく買った、T2。その当時、レンジファインダーと一眼レフの区別も付いていなかったのだが、出来上がってきた写真を見た時には本当に驚いた。この絵は凄いな、と。
特に、ベネツィアで撮った何枚かの写真は、まともなカメラで写真を撮るのはせいぜいフィルム5本目程度の自分が撮ったとは思えないものだった。もちろん、背景にはベネツィアという都市の力があるのだが、それにしても、こんなものができてくるという驚きが写真の魅力に「はまらせた」のだ。
今から考えてみれば、水の風景というのはZeissのレンズにとっては、ある種独壇場で、なんの期待もてらいもなく切ったシャッターは、2度と撮れないほど無心ではあったのだと思う。今でも、その写真はとても大事だ。
もう一方のインターネットがなければ、これほど写真を撮ることは確かに無かったとも思う。文章と写真を組み合わせるということを、1997年ぐらいからやってきたのだが、あまり物理的なものとしての写真に囚われたくない自分としては、それをネットの上だけで展開するというのは魅力的であった。事実、フィルムスキャナとデジカメを本格的に使うようになってから、撮影枚数は劇的に増えたにもかかわらず、プリンタを使った数枚のお試し印刷をのぞき、僕は1枚たりとも紙焼きをしていない。

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