初めてのボーナスの使い道は、Roland の 88鍵マスターキーボードだった。ピアノなんて全然やったことが無くて、でもどうしても欲しかったので買った。
でも、やっぱり弾きようが無くて、そのままほったらかした。そして数年。
少し前、ジャズシンガーと友達になってから、ライブにたまに行くようになった。エアコンの吹き出し口から、結露した湿気が霧のように吹き出す、そんな地下のライブハウスで「音楽」を聞いていると、ふつふつとこみあげるものはある。
Kurzweil を買うか、Roland にするか、散々迷って、鍵盤のオイルダンパーがしっかりしていたから選んだ Roland RD600。流石日本メーカー、ながらくほったらかしだったが、まるで劣化していない。実は、練習のための Sennheiser のヘッドフォンも、そのままの題名が清々しいテキスト「おとなのためのピアノ教本」も、とっくに揃えてあって、あとは鍵盤に向かうばかりではあったのだ。
何の目標があるわけでもなく、未だ何が弾けるわけでもないのだが、バイエルにも及ばないへたれ練習曲を無心に繰り返していると、頭の違う場所が起き始めて、ミュージシャンの恍惚、みたいなものが分かるような気になる。あと、手が筋肉痛。
関係ないけど、「トルネード竜巻」っていうバンド。名前のインパクトで言うと、空気公団以来なんだけど、気になる。ボーカルの声が、完全にストライク。