手の込んだ飾り付けをされたツリーは、それがどこの街に立つツリーでも、誰かに見せてあげたい、そういう種類の美しさ。それは、一人で見てもまったくもって仕方ない、ということでもあるが。
社会主義の国にもクリスマスツリーは立っている。北京のホテルで巨大なツリーに出迎えられ、もちろん僕は一人で、ちょっと複雑な気分。ツリーの向こ うでは、ラウンジの BGM 代わりに生の弦楽四重奏。特別にやってるわけでもなく、毎晩この調子だから、4人で弾いてもギャラはそんなに高くないということか。ここにも、「とりあえ ず人を配置しておけ」の法則を見る。
日本に戻ってくると、あちらこちらにツリーが立ついつもの年末の光景を目にした。ロックとマックとクリスマス。欧米的豊かさの尺度としてのクリスマス、なんてわかり易い。