「あー、満月」
と言われて、でも、2人は歩いていたから月は直ぐに建物の影に姿を隠した。僕の方が背が高いから、ちょっとだけ長く月が見えていた。だから、あれが満月じゃないことは分かった。でも、
「うん、そうだね」
と一瞬の間をおいて、言うぐらいの気は利いていた。
「ホントに見えたの?」
夜が更けて、丘の上の道を歩いていると、月がまた顔を出していた。
「あ、満月じゃない」
ちょっとした嘘。少しは嬉しそうにしてもらえた、かもしれない。
写真と紀行文
「あー、満月」
と言われて、でも、2人は歩いていたから月は直ぐに建物の影に姿を隠した。僕の方が背が高いから、ちょっとだけ長く月が見えていた。だから、あれが満月じゃないことは分かった。でも、
「うん、そうだね」
と一瞬の間をおいて、言うぐらいの気は利いていた。
「ホントに見えたの?」
夜が更けて、丘の上の道を歩いていると、月がまた顔を出していた。
「あ、満月じゃない」
ちょっとした嘘。少しは嬉しそうにしてもらえた、かもしれない。