「疲れたなぁ」
と思って見上げると、もう秋が終わろうとしていた。業界は、やたらと不景気で、それでも忙しい場所というのはあくまで忙しい。いろんな事を、実務的に片づけ続けたここ数週間。そういうリズムの中で、いろんな事にすれ違って、でも、心は気が付かない。
山積していた諸々に、ようやく片が付き、僕は久しぶりに休みをとった。電車にのって、街を出た。
ヘッドフォンから、宇多田ヒカルの「traveling」が流れてきた。いままでと、ちょっと感じが違う曲。リズムと、流れる街の灯りは、よく合っている感じがした。