トロッコ道

Photo: 2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Fuji-Film RHP III

Photo: 2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Fuji-Film RHP III

「洒落になんね?」

登山ルートの入り口に立った我々の、最初の感想である。うち捨てられたような、トロッコの軌道。手元にある、ペラペラの案内図(観光センターでも らった)によれば、この線路に沿ってひたすら 2時間ほど登り、そこから更に山道を 2時間ばかり辿ると、目指す縄文杉にたどり着くらしい。午前 7時、朝霧が晴れ、太陽が眩しく差し始めた。つまり、登山を始めるには、ちょっと遅くなってしまっているということだ。果たして、日没までに下山できるの か?


目の前の沢にかかる、危うげな橋。枕木には杉板が渡されており、なんとか歩けるようになってはいるものの、手摺りらしきものは無し。勝手に歩いて勝手に落ちろ、的な風情。実に、縄文杉に向けての登山は、この橋梁から始まるのだ。

「こんな道ばっかりなのか?」

そして、こんな道ばっかりだった。3つめから、僕は橋の数を数えるのをやめた。でも、人は慣れる。やがて僕たちは、この手の橋や、危なっかしい崖道に慣れた。(横風が強いときは、ちょっと恐かった)

そして、ついには、単調なトロッコ道に飽き始めることになる。


注:写真は、コースの中盤あたりにかかる橋梁。最初は、写真を撮る余裕なんてないです。見た目、普通の線路のように広く見えますが、実際はトロッコ用の線路なので、えらく狭いです。そして、板はガタガタしています。

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