じいちゃんがくれたもの

「小3の時、パソコンくれたでしょ」
「うん」
「あのお陰で、今の僕の仕事があるんだよ」
「あー、そうか」

入院しているじいちゃんを見舞いに行った。じいちゃんは、少し前から歩くことも、起きあがることも、できなくなっていた。ベッドの横に置かれた丸い椅子に腰を下ろして、僕はじいちゃんと話をしている。

小学校 3年のクリスマス、じいちゃんにもらったパソコンが、僕にとっての初めてのコンピュータだった。その時から、僕はコンピュータを使うようになり、やがてプ ロとして、働くようになった。メモリ16KBのちいさなパソコン。それが、僕のエンジニアとしてのルーツだ。そのマシンに出会わなければ、僕は、また違っ た職業を選んでいたかもしれない。

人は一人。人生は一度きり。そして、それっきり。暗い夜を歩くとき、ふと、そんな風に思うことはある。

でも人は、誰かに何かをしてあげることで、いろんなものをのこす事ができる。そして、育てることができる

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