楽しげなこの街にも、影の部分はある。写真の橋は、ドゥカーレ宮殿と牢獄の間に架かる嘆きの橋(Ponte dei Sospiri)。「嘆き」は、この橋を渡った罪人の嘆きのことだ。
ガイドによっては、「死刑囚が最後に通った橋」「二度と戻れない橋」、と紹介する人もいる。真偽のほどは定かではないが、誇張のような気がする。
美しい意匠を施した橋だが、逃げられないように、窓にはしっかりとした格子が付いている。左側の宮殿の壁面が丁寧な仕上げなのに対して、右側の牢獄 の壁は、岩を削りだしたような荒っぽい造りになっていることに注意。大理石の碧みがかった輝きが、不気味に綺麗。