イノセンス

イノセンスのDVDが届く。
試写の時から数えると、これを観るのは4回目か?
SDで観てしまうと、スクリーンで見えていたディテールの多くが落ちている、というか背景とかよく分からない。やはり、作り手の気持ちからするとスクリーンとかHD
で観て欲しいものだろうなと思う。特に、この作品は「空気感」を出すために、雑踏なんかを相当真剣に動かしているから。
DVDにはおまけで、押井監督と演出の西久保さんのオーディオコメンタリーが付いてくる。これがかなり面白くて、例えば、車のカットはCGIじゃなくてセルだったとか(綺麗にできすぎていて、絶対セルに見えない)、いろいろ。映画本編が全部入っていて、太っ腹なかんじ。
あとは、草薙素子役の田中敦子さんの顔が見られます。
映画自体は、うーん、何度も観てるからあまりコメントは無し。
個人的には、犬は好きじゃないんだよな。特にああいうズルズルしたのは。

いまさらフィルムカメラ

Photo: T* コーティング 2004. Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

Photo: "T* コーティング" 2004. Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

いくら偉そうなことを言ったって、やっぱりデジカメは簡単便利なので、銀塩、それも一眼レフとなるとある程度の旅行じゃないと持って行く気がしな い。で、久しぶりに持ってみると、その重さと、その匂いと、やっぱりホンモノだなーと思う。ファインダーから見た景色も、異次元に綺麗だ。やっぱり一眼は 良い。

レンズをのぞき込むと、レンズの T* コーティングに映り込む木陰の光りが飴色に輝いている。やっぱりレンズが違う。これは綺麗だと思って、「デジカメで」撮ってみるわけだが。


この夏の暑さは銀塩泣かせだ。熱に弱いリバーサルフィルムを持って炎天下を移動するのはとても気を使う。本当に熱さでフィルムをダメにしたことは無 いのだけれど(それよりも、CONTAX の一眼にありがちな巻き上げミスでかぶらせる方が危ない)、放っておけばケースに触れない位に熱くなるのは恐い。コンビニで氷を買っては、クーラーバック に入れてフィルムを冷やす。宿に着いたら、冷蔵庫に移す。ちょっと面倒。旅先で毎日冷蔵庫からフィルムを出し入れするのは、もうすっかり慣れてしまって、 フィルムの出し忘れはないけど。

このレンズがデジカメでも使えたら良いのに、と素直に思う。使っている人を見たことがない N マウントより、MM マウントのマニュアルフォーカスで、CONTAX 用のデジカメボディを出して欲しい。コンセプトとしては、EPSON の R-D1 みたいなのが良い。多分、意外と売れるんじゃないとか思うのだがどうだろう。


注:T* コーティング。Carl Zeiss レンズに施される、コーティングの総称。Ziess の画を作るうえで、重要なモノらしい。これが施されたレンズには、T* ロゴが刻印される。

エンドロール

映画の試写を見る。自分達のやってきたことが、形として現れるのは、ちょっと凄い。僕たちは、ほんの少しのお手伝いという感じだが、周りに座ってい る、多分、1カット1カットを作った人たちの感慨はまた違うものなのだろうと思う。エンドロールが終わるまで、誰一人席を立たない。部屋が明るくなり、拍手が鳴ると、それまでスクリーンを凝視していた監督が机に突っ伏すのが見えた。

この作品が商業的にあたるのか、そうでないのか、分からないけれど、誰も見たことのない世界がそこにあったことは確かだ。少しでも渦中に巻き込まれ ていると、それがどの程度世間に影響を与えるのか、よく分からなくなる。歴史に残る作品の誕生に立ち会ったのか、そんなこともないのか。そういうことは、 振り返ってみないと、分からないことなのだと思う。少なくとも、僕には。