ThinkPad X61を自分で修理する

Photo: Inside ThinkPad X61 2010. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

Photo: "Inside ThinkPad X61" 2010. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

wordpress の人気ページを見ていると(プラグインで人気ページの集計ができる)、ThinkPad の部品関連のページに結構人気がある。wordpress にして初めて気がついた感じだ。ということで、何かの役に立つかもしれないので ThinkPad X61 修理の記録を書いておく。


おおまか壊れない ThinkPad だが、可動部分が壊れるということはやはりある。

使い始めて 7ヶ月、どうもファンがうるさいと思って居たのだが、ある日、「ガガガガ」とありえない音を立て始めた。キーボードを外して、左上に付いているファンを掃除してみたが、音は消えない。

よくよく聴いてみると、パームレスト左側あたりから聞こえてくる。仕方ないので、背面のボディ取り外しネジの指定が(四角くて下に短い線が 4本入っているアイコン)あるものを全て外し、ボディ上面の樹脂パーツをとってみた。とった状態が上の写真だ。なお、一連の作業の前に、ACアダプタは外しておくこと。

開けてみるとパームレスト左側に、セカンドファンが付いていた。ここにファンがあるとは知らなかった。ブロワーで吹いてみたが、回りがかなり悪くて、確実にここが壊れている。とにかく良く吹いて、再び起動を試みたが、今度は FAN Mulfunction で完全に起動しなくなってしまった。(温度上昇を避けるための安全機構だろう)


ThinkPad を長く使っている人なら知っていると思うが、ThinkPad の部品の中で、FRU の番号が付いているものについては、ユーザーの手で交換することが許されている。当該のファンをよく観察してみると、FRU で”42W3410″と部品番号が記されていた。ということは、自力で交換が可能ということだ。

保証期間内なので、センドバックで修理も可能だとは思うが、その手間をかけたくはないので、パーツセンタから部品を取り寄せることにした。

パーツの注文プロセスについては、このWeb が詳しい。いつものようにパーツセンタに電話し、今回は初めて女性が出たのでもの凄く驚いたが(いつもは、いかにもエンジニアという感じの男性が多い)、対象機種名(型番が望ましい、僕の場合は6765-A51)と FRU パーツ番号42W3410 を伝えて、在庫状況を確認してもらう。

「こちら在庫僅少となっておりまして、、」

いや、一個で良いです。


暫くすると見積が FAX で送られてくるので、ネットバンクであれば振り込みのエビデンスのページを、ATMであればレシートを添付して FAX する。数日すると、いつものでかい箱に入って、小さなファンが送られてくる。

セカンドファンは、基盤にテープでとめられたフレーム部分まで含めて 1アッセンブリとなっている。流石に、テープ部分からはぎ取るのは躊躇されたので、一旦部品をばらして、ファンの部分だけを移植することにした。交換して、ネジ止めを全て元に戻し、電源を入れると何事もなく起動。

あれほど、気になっていたファンの音も随分静かになった。分かる人は自分で直して良い、という姿勢はこれからも続けて欲しい。

山に向かって歩くペンギン

Photo: 太陽 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.

Photo: "太陽" 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.

ディスカバリーチャンネルをボーッと見ている。


南極のペンギン。

ペンギンは宿営地と餌場の開氷面を往復して生活している。

しかしある日、一匹のペンギンが宿営地と開氷面の真ん中で立ち止まる。そして、仲間から離れてただ一匹、遙か内陸の山脈を目指して歩いて行く。


例え、彼をつかまえて、宿営地に連れ戻したとしても、また山に向かっていくのだという。

海のない内陸部は遙か 5,000km 続き、待っているのは死。彼らが山に向かう理由は、分かっていない。

ヨチヨチ歩いていくその鳥は、最期に何を見るのだろう。

セレブにペヤングを作らせる

Photo: plain-pasta 2010. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

Photo: "peyoung" 2010. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

ガード下のタイ料理をたらふく食べた後、我々は新橋あたりのスペインバルで小さなテーブルを囲んでいた。

特価のハモンセラーノを囓りながら、目新しいiPhoneアプリを披露したりしている。

湯切浪漫、は誰もが経験のある、ペヤングの湯切り作業を体験するiPhoneアプリだ。iPhoneの傾きセンサを利用して、湯切りの正確さと速度を競う。傾けすぎれば湯と共に麺が飛び出るし、グズグズしていれば麺は伸びきってしまう。まあ、そういうゲームだ。


僕の向かいで、泡のようなものを飲んでいるセレブに、そのアプリをやってみていただく。余裕で麺が飛び出している。それはいいが、、なんか怪しい。

「ところで、ペヤングって食べたことあります?」
「ないわよ」

なんと言うことだ、関西在住ならいざ知らず、ペヤングを食べたことが無い?!っていうか、インスタント焼きそばを作ったことが無い。まさに、こういうのをセレブというのだ。僕と友人は、その衝撃に言葉が無かった。というのは嘘で、即

「じゃあ、作りに行きましょう」

と提案したのだった。

ほら、あそこにコンビニの看板が見えてる。ドングリのブリュレを食べたら出発しよう。


目に刺さるような蛍光灯が眩い深夜のコンビニに、幾らするのか分からないマルチカラーモノグラムのバックが、全くマッチしていない。

果たしてここにペヤングはあるか。もちろん、ある。インスタントラーメンの棚に、大量に在庫されている。ペヤングの隣の山を示して

「これはなんですか?」

ああ、それはペヤングと双璧を成す、UFOです。さすが、初見でライバル製品を見抜くとは。

「じゃあ、これは?」

この際、一平ちゃんはどうでもいいでしょう。

友人が、丁寧にコーチする。まず、フィルムを剥がし、ソースを忘れずに取り出す。かやくを入れてお湯を注ぐ。ここでソースを入れないこと(重要)。3分待って、いよいよ湯切りしましょう。


iPhoneで練習していたとはいえ、やはり実際にやってみるというのは、間違いなく楽しいに違いない。人生日々発見ではあるが、世界の様々を見聞きしてきた人間が、今、ペヤングの湯切りを生涯で初めてやっているのだ。人に立ち会われて、初湯切りをする人間が、この世界にいったい何人居るだろう?

湯切りが終わったら、ソースを混ぜて、スパイスを入れて出来上がり。皆で頂きましょう。何度食べても、やはり絶妙なバランスの食べ物だ。セレブに、初湯切りから、初ペヤング実食までを体験して頂き、大変有意義だった。

あ、UFOはお土産なので、ちゃんと持って帰って下さい。