都会の空気にうんざりして、電車に乗って遠くへ行った。
いい加減な地図を頼りにして、たどり着いた菖蒲田は、今年の夏の遅い歩調のせいか未だ一面の緑色だった。雨に濡れた畦道を進むと、ほんの一角だけ、幾株か咲いていて、それは薄青い鳥がとまったように見えた。
東屋からのんびり眺める新緑は、黒い影に切り取られ、雨が若い緑に染み込むように、心に染み込んだ。
雨が、緑を一番美しく魅せる。この季節の雨は特に。
そして、カエルがまた鳴き始め、僕は次の場所へと歩き始める。
写真と紀行文
都会の空気にうんざりして、電車に乗って遠くへ行った。
いい加減な地図を頼りにして、たどり着いた菖蒲田は、今年の夏の遅い歩調のせいか未だ一面の緑色だった。雨に濡れた畦道を進むと、ほんの一角だけ、幾株か咲いていて、それは薄青い鳥がとまったように見えた。
東屋からのんびり眺める新緑は、黒い影に切り取られ、雨が若い緑に染み込むように、心に染み込んだ。
雨が、緑を一番美しく魅せる。この季節の雨は特に。
そして、カエルがまた鳴き始め、僕は次の場所へと歩き始める。
考えあぐねるように座る。
月明かりが水の面を覆っている。
お前はどこから来て、どこへ行く?
キュウリが好きだ。馴染みの飲み屋に行っても、キュウリ関連のものが有ると、そればっかり食べている。漬け物、和え物、付け合わせ、なんでもいいが、キュウリが好きだ。
体質的には、冷え性なので、本当はキュウリはあんまりよろしくないのだが、それが逆に魅力的。禁断の味わい。
蕗味噌に付属のキュウリをえんえんと食べていたら、店の料理方は僕を「カッパ」と呼び始めた。カッパ用の蕗味噌にはやけに大きなキュウリが付いてくる。
今日出てきたのは、カッパ用の試作品。好物のクラゲとキュウリを合わせた夢の一品、カッパスペシャル(仮名)。どうしようもない感想言ったら高くなるよ、と脅されて味わう。
「もうちょっと辛い方がいいんじゃないかなー」
「だよねー」
なんとか、正解の方向だったみたい。