結局人にはリズムが必要なのであり、長期間の在宅勤務をこなすためには、自分には習慣の管理が必要なのかもしれない。その思いつきを、実行に移してみた。結論から言うと、人は、自分が思うよりもずっと、習慣の生きものだ。
習慣管理には、もともとcoach meを使っていたのだけれど、なんか文字通りコーチングプログラムを売るマネタイズアプリになってきて、あんまり役に立たない感じなので代替を探す事にした。
幾つかインストールして試してみたが、Habitifyの評価が抜きに出ていて、機能のセレクトが自分の用途にとって最も妥当と感じられたので、こちらを使って見た。約3週間つかってみての感想を書いてみる。
本当に続けられるのか?という疑問というか、あやふやな気分で使い始めたが、今のところちゃんと使っている、そして使い続けている。
意外と、沢山のタスクを設定しておいた方が、何かをやる時間を作ることができるのは面白い。僕の場合は16個、キリが良い。やることによってしか、やる気は起きない、というのが脳の構造なわけだが、習慣リストを沢山にしておくというのは意外なほど効果が有る。
日ごろは、通勤するとか、買い物に行くとか、そういうイベントが与えていた外部シグナルが失われて、しかしそれを改めて自分から明示的に与えてやることで、目に見えてパフォーマンスとかやる気が上がるのは、面白い。
Habitifyは習慣アプリの専業メーカーで、ライセンスはサブスクリプションモデルになっているが(無償版は習慣を3つまでしか作れない)、ライフタイムライセンスも有る。こういうものは、使ったり、使わなくなったり、かと思うとまた使ったりするので、潔くライフタイムライセンスを買った。メーカーのWebサイトからPaypalで買うと、Apple税を回避できるので、少し安い。
Habitifyのラインセンスは、単機能のアプリとしてはかなり高く感じられる(日々の操作は、チェックインのために登録された習慣のボタンを押すだけなのだ)が、アプリケーションの出来は良い。チェックインのUIはシンプルを極めているし、進捗表示の方は逆にいろいろと凝っている。
いろいろ出来るけど面倒では無い、というバランスの良い機能とUIにはとても好感が持てる。やろうと思えば時間を決めてアラートも出せる。進捗画面では、だんだんデータがたまってくるとトレンドも見られて面白い。例えば、このタスクは朝方にやってることが多いなとか、そういう事が色の濃淡で見えてきたりする。
完了率の推移や、好んで完了させている項目が勝手に集計されていく。PCのモニターに、タスクマネージャーを表示させておくのが好きな人(別に、Activity Monitorでも、Perfmonでも、xloadでも良いが)、所謂ダッシュボード症候群の人には、これは捗るに違いない。
基本マルチプラットフォームなので、Androidでも使えるのだが、そちらの出来はあまり良くないように思う。僕のAndroidタブレットでは、既存アカウントへのログインのUIで動作が止まってしまった。(アップデートされることを期待している)Web版も有るので、いろいろな状況でチェックインする事は可能だ。Mac版のアプリも最近リリースされたようで、新しいリリースではDarkmodeにも対応をした。WebとiPhoneとMacのUIが、なんか微妙にいろいろ違うのは開発用フレームワークの違いなのか。
コロナ後の働き方を考えると、自分で習慣を管理しないといけない、という状況が続くのではないかと思う。業種にも依存するが、特にITであれば、毎日ほぼ出勤するというある種の枠組みは無くなってしまったと思う。僕の場合も、もちろん在宅勤務の制度は元々あったけれど、ロールによっては、やはり出勤が基本になるケースは多かった。制度と運用にはギャップが当然あるし、心理的な文化というものもある。この大事なミーティングにリモート参加?みたいな、例えばそういう心情的な部分。
しかし、そういう事は、もう変わった。自分を律するシグナルが、組織から与えられることは、今後無くなっていくだろう。そして、自分で管理するための、ある種の規律や、習慣が必要になるんだろうな、そういう風に感じている。