盆栽

mark516.jpg玉藻公園。という観光地に来てみた。
泊っていたホテルの隣だったから。

その何も無さ加減に感動。(皮肉ではなくて、本当に気に入った)うろうろしていると、なんと「市民盆栽展示」のイベント開催中。なぜ、僕は高松に来て、独り盆栽を見ているのか。うーん、松か、松なんだな。

そういえば、ちょっと前に、さいたま市が5億円を投じて盆栽を買い上げ、博物館をつくるというニュースが流れていた。さいたま市はかなりの赤字財政らしく、結構、非難囂々のようだった。


個人的にかつ勝手に言えば、盆栽って、なんとなくある種のサブカルチャーみたいなものじゃないかと思っている。なんというか、「庭園」文化に対しての、サブカルチャー。日本発のサブカルチャーが、今や世界的に通用する「新しさ」を持っている時代にあっては、この盆栽文化を守るっているのは、実は後世に評価される事業のような気がする。

そうそう、盆栽雑誌(近代盆栽とか、盆栽世界とか)を読んでみたことがあるだろうか。後ろの方の読者投稿欄を見ると、「私の夢の盆栽」とか、そういう素敵イラストがどんどん投稿されている。まさに、そのノリは、サブカルチャー雑誌なのだ。

ちなみに、日本盆栽文化の至宝、世界一の盆栽と名高い「千代の松」を見たことがあるが、、。やっぱり、盆栽の鑑賞は結構難しいなぁと思った。でも、見たこともないぐらい立派な盆栽でした。

地獄の黙示録 特別完全版

地獄の黙示録 特別完全版原題は、Apocalypse Now Redux.
「帰ってきた黙示録」とかそんなぐらいか。特別完全版とかいう変な邦題を付けた人のセンスというか、映画に対する愛情を疑いたくなる。「地獄の」って何だ。
何か凄い字幕だなぁ、と思ってみたら、戸田奈津子字幕。調べてみると、もともとの「地獄の黙示録」の翻訳が彼女が字幕翻訳家として名を成すきっかけになった作品だったらしい。
いきなりひっかかったのは、有名な襲撃シーンの1カットでヒューイにフレアが飛び込むところ。”Flare! Flare!”を「信号弾だ!信号弾だ!」って、なんだそれ。チャフとかフレアって専門用語なのかもしれないけど、作品の性格から考えたらあくまで正確に訳して欲しい。(そういうのが分からない人が、わざわざこの「帰ってきた」を見るとは思えないし、今の時期にこの作品のDVDを買う人って、分からなかったら調べるタイプだろ)シーン自体が、信号弾を使うような状況じゃないし。
その他、至る所でなっち訳が爆発している。英語はあんまり得意じゃない僕が見ても、おかしいと思うところが結構ある。
作品自体はオリジナルのわけのわからない強引さは薄れたけど、より入りやすくなってるし、マスタリングもとても良い。テストでたまたまカメラを回していたナパーム着弾のシーンを、そのまま使ったというオープニングは、本当に凄い。これCGじゃ、ないんだよな。

トニー滝谷

トニー滝谷 プレミアム・エディション僕が持っていない、ほとんど唯一の村上春樹の短編集「レキシントンの幽霊」に収められた、同名の小説の映画。
村上春樹の作品の映画、というだけで引いてしまったが、見てみると、あの文章の雰囲気がとても良く出ていて、うまくつくったなぁという印象。

イッセー尾形も宮沢りえも、全然好きな役者ではないのだけれど、そういうことは感じずに見終わった。役者の個性に頼るのではなくて、きちんと役が作られている。つまり、映画として良くできている。


画作りは、スタイリッシュで、ともすれば退屈になりがちな動きの少ない、画面を、滑らかな横方向へのトラックを良いアクセントにして、うまくまとめている。fixと思わせておいて、カメラは滑らかに、真横にトラックしていく。

音楽は坂本龍一。ピアノオンリーの音楽が、ずっと静かに流れている。
うん、よくできているのだ。