戦ふ兵隊

戦ふ兵隊戦意高揚映画の体裁をとっているつもり(それっぽい字幕が入る)だそうだが、普通に反戦映画。

ナレーションは無くて、現場の音声だけが入る。

前線の司令部の様子を fix で 10分撮ったシーン。兵士から淡々と報告があり、指揮官が淡々と指示を出す。そこに興奮はなくて、緊張感の漂う、努めて冷静な現場。でも、弾丸にあたった兵隊が運ばれてくる。日本人が闘っている。リアルに日本人が戦争をしていることが、とても伝わってくる。


シーンは変わって、なんか朝礼みたいに見える。長屋の軒先みたいなところでやってる。

「あ?、またやってんの?」みたいな感じで、現地のおばちゃんが見切れている。
なんだろう、テイストとしては、ナレーションの無い、「日本紀行」みたいな感じ。でも、戦争をしてる。何でも日常になって、なんでも人生になる。レンズは、その日常と人生から距離を置いて、あくまで冷徹にそれらをフィルムに焼き付ける。その距離が、美しさ、さえ感じさせる映像をつくる。でも、それは残酷でもある。

伝わってくるリアリティーと、怖さみたいなのをどう言ったらいいだろう。例えば、映画とかドラマの爆発シーンて油が燃えるような派手な炎が上がるけど、実際の爆発って、粉っぽい埃みたいな煙が一瞬にして上がって衝撃波で周りが震える。ホンモノの方がよほど地味なんだけど、重くて怖い。

盆栽

mark516.jpg玉藻公園。という観光地に来てみた。
泊っていたホテルの隣だったから。

その何も無さ加減に感動。(皮肉ではなくて、本当に気に入った)うろうろしていると、なんと「市民盆栽展示」のイベント開催中。なぜ、僕は高松に来て、独り盆栽を見ているのか。うーん、松か、松なんだな。

そういえば、ちょっと前に、さいたま市が5億円を投じて盆栽を買い上げ、博物館をつくるというニュースが流れていた。さいたま市はかなりの赤字財政らしく、結構、非難囂々のようだった。


個人的にかつ勝手に言えば、盆栽って、なんとなくある種のサブカルチャーみたいなものじゃないかと思っている。なんというか、「庭園」文化に対しての、サブカルチャー。日本発のサブカルチャーが、今や世界的に通用する「新しさ」を持っている時代にあっては、この盆栽文化を守るっているのは、実は後世に評価される事業のような気がする。

そうそう、盆栽雑誌(近代盆栽とか、盆栽世界とか)を読んでみたことがあるだろうか。後ろの方の読者投稿欄を見ると、「私の夢の盆栽」とか、そういう素敵イラストがどんどん投稿されている。まさに、そのノリは、サブカルチャー雑誌なのだ。

ちなみに、日本盆栽文化の至宝、世界一の盆栽と名高い「千代の松」を見たことがあるが、、。やっぱり、盆栽の鑑賞は結構難しいなぁと思った。でも、見たこともないぐらい立派な盆栽でした。

地獄の黙示録 特別完全版

地獄の黙示録 特別完全版原題は、Apocalypse Now Redux.
「帰ってきた黙示録」とかそんなぐらいか。特別完全版とかいう変な邦題を付けた人のセンスというか、映画に対する愛情を疑いたくなる。「地獄の」って何だ。
何か凄い字幕だなぁ、と思ってみたら、戸田奈津子字幕。調べてみると、もともとの「地獄の黙示録」の翻訳が彼女が字幕翻訳家として名を成すきっかけになった作品だったらしい。
いきなりひっかかったのは、有名な襲撃シーンの1カットでヒューイにフレアが飛び込むところ。”Flare! Flare!”を「信号弾だ!信号弾だ!」って、なんだそれ。チャフとかフレアって専門用語なのかもしれないけど、作品の性格から考えたらあくまで正確に訳して欲しい。(そういうのが分からない人が、わざわざこの「帰ってきた」を見るとは思えないし、今の時期にこの作品のDVDを買う人って、分からなかったら調べるタイプだろ)シーン自体が、信号弾を使うような状況じゃないし。
その他、至る所でなっち訳が爆発している。英語はあんまり得意じゃない僕が見ても、おかしいと思うところが結構ある。
作品自体はオリジナルのわけのわからない強引さは薄れたけど、より入りやすくなってるし、マスタリングもとても良い。テストでたまたまカメラを回していたナパーム着弾のシーンを、そのまま使ったというオープニングは、本当に凄い。これCGじゃ、ないんだよな。