Cocco, Heaven’s hell

Photo: 僕が昔撮った沖縄の写真と、cocco が撮った沖縄の写真(パッケージ) 2003. Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

Photo: "僕が昔撮った沖縄の写真と、cocco が撮った沖縄の写真(パッケージ)" 2003. Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

沖縄という土地は不思議だなぁと、僕は思っている。離れれば、それだけ、インパクトがある。変に政治とか歴史とか、そういう話にしてしまう奴はほっといて、矛盾のカタマリみたいな島だけれど、日本の他のどこにもない引力みたいなものがある気がする。

2年前に突然休止宣言をしてメディアから消えた沖縄出身の歌手、cocco。 彼女は、いわゆる職業:アーティストというんではなくて、ホンモノの歌手だと僕は思っている。で、この2年、彼女は故郷の沖縄で、海辺のゴミをひろってい たらしい。そんな彼女が沖縄の子供達の合唱をバックにして、10分間だけのコンサートをやった。その DVD が出た。


「coccoって、誰?」集まらないボランティア。いまいち練習に興味の乗らない、今時の子供達。商業的なカメラと舞台のスタッフ。昔の東 京時代のスタッフ。きれい事じゃない、いろんな矛盾と、大人の世界の話もまきこんで、それでも、最後に合唱団と観客を納得させたのは、彼女の歌だった。

この DVD、凄いよくできたドキュメンタリーとかじゃないんだけど、真摯に生きてる彼女の姿と、歌になって出てきたものの圧倒的な才能 +? みたいなものが凄い。
「(大人になっても)持っておこうと思ったら、持っておけることが、いっぱいあるから。
忘れないでおこうと思ったら、忘れないでおけることがいっぱいあるから」

子供達に語られた言葉は、僕にもっと良く響いた。

変に大人にならないで。他人のせいにすることと、自分への言い訳を積みあげないで。大事なものを捨てないで。先に進むことを怖がらないで。そういうことなのだと思う。


コメント:筑紫が邪魔
注:もし舞台とかカメラもボランティアだったらすまん。ああいうのって、カネかかるから、、。逆に、カメラが回ってないと、僕らは DVD では見られない訳で、、。
Cocco, Heaven’s hell, 2003, Victor Entertainment, Inc.

美の時代

Photo: 晩秋赤煉瓦 2002. Sapporo, Japan, CONTAX T3, Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak EBX.

Photo: "晩秋赤煉瓦" 2002. Sapporo, Japan, CONTAX T3, Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak EBX.

テレビで、美輪明宏が「現代は恐ろしい時代だ」と言っていた。

陰鬱なニュース、暗い時代。

食欲、性欲、金銭欲、そういったものを皆求め、そういったものが大事だとされ、そうしてこの現代ができあがった。そこでは、精神性とか、叙情性とか、そういうものは、単なるマーケティング上のレトリックに貶められた。

モノとカネはあるけれど、品位も誇りも、穏やかさもない。そんな金ぴかのゴミ溜めは欲しくなかったのに。気が付いたら、僕たちには、選択肢がほとんど無い。僕たちの(あるいは、僕たちのちょっと前の)世代が捨て去ったものは、あまりにも大きすぎた。


昔、美が、他のいろいろなものに勝ってもっと大切だった時代があった。そんな話は、現代に生きる僕からはとても信じられないことだけれど、そんな時代に生きてみたかったと思う。


注:札幌の赤い煉瓦。もう、昔のような煉瓦は今では焼けないという。明治の時代、ドイツから来た職人が焼いた煉瓦は、人の手によって打ち壊されなければ、あと何百年か、持つだろう。今の日本で、百年後の事を考えている人は、ほとんど居ないと思う。

Toyota Allion の CM

Photo: 珈琲屋から見たビルの谷間の緑 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

Photo: "珈琲屋から見たビルの谷間の緑" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

村治佳織はアイドルか何かだと勘違いしている皆さん、こんにちは、羊ページです。彼女が出ている Toyota Allion の CM。
「もうだいじょうぶだよ」

っていう一言に、どきっとしたような、ホッとするような。だからといって、Allion 買わないが。きっとこれに反応した人は、疲れてると思う。


この数年は仕事フォーカスで良い、と思ってやってきた。その期間を長いとは思わなかったけれど、たとえば 2年前なんて言われると、とんでもない昔のことのように思える。で、最近はえらく消耗した感じがしている。自分の好きな業界で、とことんやっている人なら 誰しも、自分の全てを仕事にフォーカスさせることに、さして疑問は持たないと思うが、それでもちょっといっぱいいっぱいな感じが最近してる。

それは、「ただの寝不足でしょ」という意見もあるし、「歳ね」という言い方もあるし、あるいは、「とうとう飽きたのか?」という声もある。まあ、別 にどれでもないし、どれでもあるのかもしれないし。振り返ってここ 1年位の羊ページを見てみれば、圧倒的に食べ物の話が増えていたり。そりゃそうだ、忙しいときのプライベートな時間なんて、飯喰ってる時ぐらいだもの。こ こ数年で、どこでも光ファイバや、Wireless LAN や、Air”H が通るようになって、果てしなく仕事が追いついてこられるようになった。ビジネスだって、凄く速くなった。


なんか自分の中のバランスが崩れているんだと思う。経験とか、感情とか、そういうものの収支が、傾いていて、債務超過。フォーカスして専門的になっ て、最適化されて、でも、多様性とか無駄な経験とか、そういう実は大事なものが足りない。うまく、ライフサイクルが出来てない。元ネタが枯渇して、次の一 手が出てこない。

、、。別に泣き言を書きたいわけでもなく、自分の「感じ」みたいなものを文章にしてみるのは、なかなか整理がついて良い。実は似たようなことを近場の人間達には言ってみたりもしたのだけれど。

まあ、とりあえずは午前1時前に寝るのを目標にしてみるか。(もう過ぎてるが)


注:普通にこの人の音楽好きなんですけどね。sinfonia とか。