新緑の甘い風が、今年も吹いてきた。
ぐー。
ちょっと素敵な夢を見て、夕方。
写真と紀行文
新緑の甘い風が、今年も吹いてきた。
ぐー。
ちょっと素敵な夢を見て、夕方。
ドラえもんで、忘れられないエピソードというのは幾つかあって。
植物が人間みたいに見えるゴーグルのお話。そのゴーグルを通してみると、植物が交わす言葉を聴いたり、表情を見たりすることができる。
のび太が裏庭の片隅に見つけたタンポポを、そのゴーグルを通して見守る、ちょっと珍しいエピソード。その物語の最後に、タンポポの子供たちが、綿毛になって飛んでいくシーンがある。
兄弟達は風に乗って旅だったのに、一人だけ怖がって飛び立てない子供がいる。タンポポのお母さんは、自分が風に乗って旅した頃の事を話して聞かせ、旅と未来の素晴らしさについて教える。そうして、明け方、ついに最後の子が風に乗って飛び立つ。
いつまでも寒かった今年は、気がつくと黄色いタンポポが一面に咲いていた。その黄色を楽しむ間も短く、花はあっという間に綿毛になって、飛んでいく。
綿毛がなくなって、すっかり丸坊主になったタンポポを見ると、いつも、その話を思い出す。旅立ちの物語が、こんな小さな場所でも繰り返されていることを、思い出す。
素敵な、物語だったんだなと思う。
冬が去った。
季節はいつも急ぎ足で、今日の空は一足先に夏の煌きを、一瞬見せた。
夏の濃い碧に、積乱雲のような勢いの雲が浮いている。
週末、空ばかりを集めた写真集を買った。