Photo: “Flower girl.” 2018. Hokkaido, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujinon XF23mm F1.4 R, Velvia filter
何が間違っているって、僕に結婚式の主賓スピーチを依頼する事ほど、間違ったことは無い。
一体、独り身の僕に何をスピーチしろと言うのだ。僕はあなたの信頼できる元上司かもしれないが、結婚生活の先輩では無いのだ。散々考えたが、僕がアドバイス出来ることは何も無い。もう、アレしか無い、3つの袋の話だ。
- 給料袋
- 堪忍袋
- そして、死体袋
いや、ダメだ。プーチン結婚式スピーチとか、その方向性では一生恨まれる。全く骨子が決まらないままに、グダグダと現地まで来てしまった。すすき野のホテルにタブレットとBluetoothキーボードを持ち込んで、悩む。
いや、結婚式だと思うから書けないのだ。プレゼンテーションだと思えばいい、新郎新婦という商品をお客様に紹介し、いかに前途に有望なロードマップが広がっているかを説明すれば良いのだ。プレゼンテーションに最も重要なのは、もちろん物語性だ。そのあたりを押さえれば、だいたいスピーチになるんじゃ無いか?
北海道の結婚式というのは、やっぱりちょっと変わっていて、内地から見ると披露宴が二次会と混じったようなカジュアルな感じ。式場の中庭でちょっとしたバーベキューをしたりリラックスした所で、式が始まる。こういう感じなら、プレゼンにも入りやすいというものだ。用意した原稿はちょっとフォーマルに過ぎるので、少し砕けた感じでやればいいだろう。
全員着席。主賓のスピーチの前に、旦那の祖母から一言。ではなく、得意の詩吟を一節。詩吟?ちょっと待って、プレゼンの前に詩吟。からのプレゼンテーション、難易度高すぎ。