
今週はいささか奇妙な週だった。僕は個人的な嗜好としてもう酒は飲まないが、酒席と
片方の人を僕はよく知っていて、豪放磊落というか、まぁポジティブな
彼らは、飲み過ぎるということはもちろん無いが、少し正体があや
もちろん、いずれの時も、僕にはまったく飲みたいという気分は無く、ひ
今週はいささか奇妙な週だった。僕は個人的な嗜好としてもう酒は飲まないが、酒席と
片方の人を僕はよく知っていて、豪放磊落というか、まぁポジティブな
彼らは、飲み過ぎるということはもちろん無いが、少し正体があや
もちろん、いずれの時も、僕にはまったく飲みたいという気分は無く、ひ
朝、ミーティングとミーティングの合間に朝食を食べる時間はありそうだ。しかし、レストランで朝食は嫌だなと思う。出張先のホテル朝食を、僕はだいたい食べない。だいたいが決まった内容だし、それにしては朝の30分は費やす訳で、とても無駄に感じるからだ。気乗りがしないまま、ホテルの案内を眺めていると(最近気がついたのだが、マニュアルを読むべきなのと同じく、ホテルの案内はちゃんと読むべきなのだ)、ピクニックセットという文字が目にとまる。
朝食付プランのお客様は、「森のピクニックセット」を利用可能、との事。そう言えば、ホテルの入り口にパン屋が有った。まぁ、それも良いだろう。パンがいくつか貰える位かな、と思いながら開店直後で他に客も居ないパン屋に入った。
「あちらのケースから、3つお選びください」という、まぁ予想通りの事を言われて、パンを選ぶ。朝はなんとなく、甘いものを選んでしまう。と、その間に店の人が、なにやら大きなバッグを用意している。お湯を魔法瓶に移し、コーヒーミルが用意され、その他いろいろなものが詰め込まれていく。
これは?つまり、ものの例えではなくて、本当にピクニックセットという事?そして、それは本当のピクニックのためのセットであり、僕はバッグを渡される。
「森はどこにあるんですか?」
かもめ食堂のワンシーンのような質問をすると、地図をくれた。本当に、森に行くためのセットなのだ。部屋に持って帰ってさっと食べるとか、そういうコンセプトのものではない。時計を見る、次の予定までの時間を考える、多分問題無い。出発しよう。
大きなバックを肩にかけて、地図を見ながら緩い坂道を登っていく。群生する花の向こうに沼が見え、蜂の羽音が聞こえてくる。吹き抜ける風は涼しく、太陽は暑い。上がっていく気温に、有機物が分解される田舎の匂いが鼻腔に流れ込んでくる。途中、沼に面して大きなガラス窓を設えた東屋があったが、やっぱり外で食べようと考える。ピクニックセットなのだ。
途中で舗装が途切れた径を進み、小高い丘にたどり着いた。野外のテーブルに、セットを広げる。ここまで誰にも会わなかったし、周りに人の気配は全くない。バッグの中身は、予想以上に本格的で、コーヒーミルで豆を碾き、ドリップするための一式が入っている。選んだパンの他に、バナナと、スープにサラダも付いている。これは、凄いな。
ガリガリとミルを回しながら、辺りを見回す。とにかく大陽が暑い。
草の匂いが、満ちている、蜂が飛び回っている。
もちろん、自分の包丁を持ってくるべきだったのだ。砂浜の砂粒で刃こぼ
ならず者氏が、記憶をたぐりながらイカツいRVの鼻先を突っ込んだ隘路の先には、茫洋とした砂浜が広がっていた。遊泳禁止の看板すらそもそも無い、荒い外房の波が打ち寄せる砂浜が、果てしなく続く。我々は焚き火を起こし、ノンアルコールビールの缶を開け、文字通り他に誰一人居ない、大陽だけが照りつける流木だらけの砂浜を満喫していた。
焼きそばを作る段になって、ピーマンを切りたかった。あり合わせ
「包丁?ああ、そちらの、”鉈”で。」
あぁ、やはりそういう事か。薪割りまで出来る、新規導入アイテムの鉈の切れ味は、なんなら包丁よりも数段良いのだから、大は小を兼ねる、問題無いじゃな
持ってみると、コンパクトな鉈としてはちょうど良いのだろうが、包丁としてはあまりに
ならず者氏と、茶碗夫婦夫の期待を背中に受けて、焼きそばは完成した。もちろん、指をそぎ落とさないように、最新の注意を払いつつだ。味付けとしては、この潮風の中なので、かなりしっかりニンニクと塩の味を付けてみた。ならず者氏が、焼きそばは塩一択だ、と有無を言わさず主張したのは
ストレスフルな日常から来るすさんだ気分には、海岸でのBBQがなによりだというのは、確かにならず者氏の言うとおりだった。20有余年の時を経て、幸いにも我々3人はまだつるんでいるのであって、そういう関係が、実はめったに