カフェ・ベルクのホットドック

Photo: ちゃんとしたホットドック 2004. Tokyo, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
Photo: "ちゃんとしたホットドック" 2004. Tokyo, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

JR 新宿駅東口改札から徒歩 20歩。そこにベルクという店があることに、どれほどの人が気が付くだろうか。僕は、本当につい最近まで、そこに飲食店があるということすら、知らなかった。何年もその前を通っているのに。

ちょっと遅くなって、さっと一杯だけビールが飲みたいな、と思ったら、ここに来るといい。多くても 2人、できれば 1人で来た方が良いかもしれない。こんな目立たない所なのに、いつも人で一杯。でも、立ち飲みのカウンターがあるから、1人ならビールが注がれるのを待っているうちに、きっと場所が空く。生ビールなら 300円台、800円ちょっと出せば樽ギネスのパイントも飲める。100円ぐらいで干した白イチジクの小袋を買っても良いし、もう少し奮発して小皿に盛ったソーセージもいい。


今日は、はじめて遅い朝ご飯に来てみた。いつもビールを飲みに来るので忘れてしまうのだけれど、そういえば、ここは喫茶店だから、朝からやってる。 ホットドッグのセット。僕が苦手なコーヒーは、頼めば野菜スープに変えられるのが嬉しい。パンもソーセージも、マス・プロダクションの餌じゃない、ちゃんとしてる。そして、安い。見た目お洒落なだけで、ちょっと食べたら 1,000円も取られるような、そんなありきたりの「カフェ」じゃない。細かく刻んだ野菜と玄米と、挽肉がたっぷり入った、ほとんど「食べる」感じのスープを一掬いしてみれば、この店が、何を守ろうとしているのかが良く分かる。僕は、こういう店が大好きで、こういう店に出会えることがとても嬉しい。

そうそう、ベルクの一番のウリはコーヒーだそうです。コーヒーの好きな人は、いっぺん飲みに行ってみて。食べ終わったら食器は、ちゃんとカゴに入れておいてね。


注:コーヒーの嫌いな人でも頼めるものはいろいろあります。

結婚式

Photo: 青キャンドルオプション 2004. Tokyo, Sony Ericsson A1402S
Photo: "青キャンドルオプション" 2004. Tokyo, Sony Ericsson A1402S

代官山で降りて、旧山手通りをえっさか歩く。良い天気で、暑い、凄く暑い。しかも遠いな。今日初めて着るスーツはまっとうにブランドもので、えらく 高かったけれど、はやくも汗で台無しだ。正装っていうのは、多分、車とか馬車とかで乗り付けるための格好であって、汗だくで信号待ちをするようには出来て ない。

友達の結婚式。僕はこの手のイベントが凄く苦手なので、(めでたいとは思うが)出来るだけ出ないように逃げ回っていて、それでも逃げ切れないものに はやっぱり出なくてはならなくて、そうなると、いきなり結婚式から出るはめになる。スーツはダークスーツじゃないとダメだとか、ポケットチーフは白にしろ とか、もう嫌だ。マナーサイト曰く「結婚式・披露宴のドタキャンは論外です」分かりました、、。

やっとたどり着いて、チャペルの入り口を入ると、大学時代の4年間見慣れた顔が並んでいた。こんなにいっぱい呼んでたんだ。ずいぶん久しぶりで、皆どれだけ変わってしまったか、自分がどれだけ変わってしまったか、結構恐かったのだけれど、全然変わらない。

「変わってないじゃん!」

ちょっとホッとした。(カラダスキャン買って、体重落として良かったよ)皆も変わってないね。へんにジジババになってない。あと、誰もズラになってないし。


誓いのキスで思わず吹き出した友達は、テレビ局に勤めているので、司会は元アナウンサー、ビデオ撮影はフジノンレンズ + 業務用デジタルべーカムに音声さんがちゃんと付く。フラワーシャワーで外に出ると、カメラを見たギャラリーが芸能人の結婚式と間違えて寄ってきた。

「わーっ」「誰だれ??」「、、だれ?」「分かる?」「いや、、誰、、」

絶対分かりません。


追伸:驚いたのが、キャンドルサービス。ありきたりの蝋燭ではなくて、透明のグラスにビー玉みたいな透明のボールが沢山入っていて、水を入 れると青く光るようになっている。ディズニーランドとかで夜に光っているアレと多分、同じようなものなのだと思う。既に1児の母になった(なんとなく信じ がたい)同期の子が言うには、

「これはオプションで 5万ね」

そうなんだ。(意外と安い、、のか?)


注:お幸せに?

楽しい楽しいディズニーランド、の向こう側

Photo: カリフォルニア、、なわけねーだろ 2004. Maihama, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
Photo: “カリフォルニア、、なわけねーだろ” 2004. Maihama, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

楽しい楽しいディズニーランド、の向こう側には茫洋とした海が広がっている。薄汚れた川砂を敷いた埃っぽい偽の大地、埋め立て地特有の直線的な海岸 線が続いている。赤黒い夕日を背に、無理矢理植樹されたパームツリーが揺れている。このスカスカ感、どこかサンノゼの裏通りに似ている。


なんで俺はこんな場所に、スーツ姿で立っているのか。ディスニーランドと東京湾の間に、いくつものホテルが建ち並ぶリゾートエリアがある。なんで、 こんな場所でプライベートショウをやるのか。海辺の高級リゾートホテルの午後、という野望は、ミッキー型の窓をしたバスが走り回る光景を目にした瞬間に崩れ落ちた。ここは、完全に奴らのテリトリーだ。ホテルのロビーでは、ガキが走り回り、芝生が気持ち良い庭ではヤンキー風のカップルが結婚式の下見をしてい る。なんてことだ、ここはリゾートなんかじゃない、ファミリー地獄だ。

俺は、ミッキーマウスが全面にあしらわれたモノレールに乗って(パスネットが使える)、ここにやって来た。乗りたかったからではない、乗らないと目的地に行けないからだ。よくよく言っておくが、俺はミッキーマウスやミッキーマウス的なものは大嫌いだ。虚ろな視線で見上げると、つり革もミッキー。やはりか。背広姿の男が、怪しくカメラを取り出して、ミッキーの形をしたつり革を撮っている時も、車掌に扮したテロ対策の警備員は邪魔をしなかった。むしろ、 見切れないようにどいてくれた。さすがディズニーランド。


それにしても、背広で来て本当に良かった。大の男二人が、いかにも観光然として私服で歩くには、このディズニーランドという場所は切実に厳しすぎる。展示会が終わり、各々が家路につく頃、ディズニーランドはお子様達の時間から、お子様趣味をひきずった大人達の時間に様変わりする。

帰路、高輝度LEDの星がまたたく、ロマンティックな夜のイクスピアリを当然のように素通りした我々は、あえて舞浜駅のNEWDAYS(駅コンビニ) でディズニー絵本のおいやげ(くまのプーさん)を購入し、家路についた。二度と、こんな面子で来ることが無いように祈りながら。


注:実はユーロディズニーにも行ったことがあったりする訳だが、、。