冷えた唐揚げ

Photo: red leaves 2009. Saitama, Japan, Sony α900, Carl Zeiss Planar T* 85mm/F1.4(ZA), cRAW

Photo: “red leaves” 2009. Saitama, Japan, Sony α900, Carl Zeiss Planar T* 85mm/F1.4(ZA), cRAW

寒い。

歩みをとめると、とたんに気温の下降を感じる。

頂上にたどり着く頃にはすっかり汗をかいてしまっていて、とてもまずい。山頂が思ったより遠く、想定したのと異なるコースをとったようで、家族向けのハイキングコースのつもりが、枯れた沢を遡上する旅、になってしまった。まあ、いつもの事だが。


僕がよく見ている、Man vs. Wild では水浸しになったベア・グリルスが、(氷河のど真ん中で)全裸になって焚き火を起こしたりしているが、それに習って着替える。(全裸にはならないが)乾いた服に着替えると、気分はとても良くなった。

麓のけっこう大きなスーパーで買ってきた唐揚げは、すっかり冷え冷えとして、シナシナになっている。あと、餃子を買ったのはかなり失敗だった。我々の他に誰も居ない、静まりかえった山頂で、モソモソと昼メシを食べる。でも、やっぱり登ったあとに食べるものは、それなりに美味しいのだ。(でも、実は量はあんまり食べられない気がする)


じっと座っていると寒いので、紅葉を撮ったり、twitter で呟いたりしながら食事を流し込む。カラカラに乾ききった冷たい空気に触れて、楓が真っ赤に縮こまっている。誰も居ない山の奥で、秋がしっかりと木々を覆っている。

さて、雨が降る前に下るか。

ちくわパン

Photo: ちくわパン 2007. Tokyo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

Photo: "ちくわパン" 2007. Tokyo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

だいぶ前の話、ではあるが。

「ちくわパン」が売られているという噂を入手して、入るコンビニ入るコンビニで探し続けた。なんでも、ちくわが丸一本入った、「ワイルドな調理パン」らしい。都心で探し、郊外で探し、大阪でも探した、ドンキにも無かった。


そんな風の噂を聞いてか、

「ちくわパンなら、会社の近くのパン屋で売ってますが」

というタレコミが。さっそく、買いに行ってもらった。なるほど、僕が探しているちくわパンは、多分ラインで作られる大量生産品なのだが、このちくわパンは、街のパン屋さんがたまたま作ってしまった、手作りの品のようだ。

そのブツをどこで受け渡すか。ちくわパンを入手してくれたエージェントが「今度、青山近辺に勤めることになりそう」と、言うので、それではその近所でお洒落な店にしよう、ということで、笑笑に決定。

「それは、確かにオシャレね」

だって。なんでも、笑笑に行ったことが無いらしい。しかも面倒なので、青山ですらなく新宿の笑笑に集合した。


一通り料理と酒を頼んでテーブルの上をカモフラージュしたところで、いざちくわパンにとりかかる。見た目にちくわ感はあまりなく、細かく刻んだちくわが入っている。食べてみると、練り物の滑らかな食感がパン生地にマッチして、普通にうまい。ガッカリするぐらいうまい。

具材としてやや淡泊に過ぎる気もするが、むしろそれがヘルシーさを感じさせて受けるかもしれない。調理パンとして、普通にレギュラーをはれるレベルと感じた。微妙に酒のつまみにもならないことはなく、普通に美味しく頂いてしまった。

他にあえて感想を書くならば、笑笑もたまに行くと、結構まともなのね、という結論。

水は低きに流れる

Photo: waterfall 2009. Tokyo, Japan, Sony α900, Carl Zeiss Planar T* 85mm/F1.4(ZA), cRAW

Photo: "waterfall" 2009. Tokyo, Japan, Sony α900, Carl Zeiss Planar T* 85mm/F1.4(ZA), cRAW

流れの方向を見極めること、流れに逆らわないこと、兆候を見定めること。

時には待つこと、しかし行うときには行うこと。


別に誰の言葉というのでもなくて、なんとなく、ここ暫く感じることをまとめて書くと、そういうことになる。

今は、良い方向にも、悪い方向にも、とにかく色んな事が変わるし、だからといって目を閉じているわけにもいかない。チャンスは沢山あるようで、少し しか選べないのかもしれない。僕は、自分が思ったよりも、変化が好きでは無いのかもしれない。あるいは、年をとって、変化を許容しなくなってきたのかもし れない。


昼も夜も働いていた頃に、一緒にいろんなことをした人たちと、同窓会をすることになった。みんなは、どう感じているのだろう?