僕は平日はほとんどテレビを付けない。地上波はもっと見ない。いくつかの番組は(特攻野郎Aチームとか、、)、RD-X5 が勝手に見ておいてくれるので、週末に気が向いたら見るし、撮るだけ撮って削除してしまうこともある。何で見ないか?というとそこにはもう面白いものはあまりないし、新しいものも無いからだ。テレビは、もう先端じゃないのだ。
テレビの現状、ということについて、最近読んだ大橋巨泉のインタビューが面白かった。最近の視聴率低迷、テレビ離れという状況を評して、「勝ち組とか金持ちとかインテリがテレビを見なくなっただけ」で、「テレビは今に「貧困層の王様」になるはず」だと彼は言う。
業界の人間は、皆分かっていても、怖くて言えなかった真実だと思う。実際、今の日本の地上波テレビというのは、最も安価で安易な娯楽である。テレビは貧者のベビーシッターであり、老人介護マシンであり、話し相手だ。
作り手の「志」、あるいは、視聴者の「民度」による番組品質の向上あるいは低下という議論は別にして、テレビの主要な収入源である広告、それを支えるスポンサー、その商品を買う視聴者、という図式で考えると、視聴者が貧困層中心になるということは、そこから期待される購買力は下がり、結果として広告料は下がり、制作費は下がり、番組の程度は落ちる、ということが容易に想像される。
テレビの歴史は、金持ちしか買えない憧れのテレビ→皆が見るメディアの王様としてのテレビ→低所得者層の安価な娯楽としてのテレビ、という変遷をたどる。テレビは今や最後のステップに入りつつあり、メディアの王様でもなんでもない、one ofのメディアでしかない。歴史の流れは止まらないのであって、「底流」のための娯楽として、更に程度を落としていくことは間違いないのだろう。
日経ビジネス EXPRESS : 【大橋巨泉氏】
http://nb.nikkeibp.co.jp/free/tvwars/interview/20060127005218.shtml